青山眼鏡 | 仕事は「生きがい」ではなく「やりがい」。めがねの売り方を提案し、多くの人に届ける仕事。
めがねフレームの国内生産シェア96%を誇る鯖江には、めがね産業に携わる会社が本当にたくさんあります。部品を作る会社、販売をする会社、一貫生産ですべてに携わる会社など、多種多様です。そんな中、青山眼鏡株式会社はめがねフレーム・サングラス・老眼鏡・ファッショングラス等、多彩な商品の企画・開発から製造・販売までをトータルに手がけておられるめがねの商社です。
問屋を通すのではなく、直接小売店に営業マンが足を運んで販売していく青山眼鏡のスタイル。私たちの住む町にあるめがね屋さんに置いてある商品は、青山眼鏡が製造・販売しているものかもしれません。
今回お話をお伺いしたのは、鯖江市のお隣越前市出身の営業マン、夏目翔平(なつめ・しょうへい)さんです。めがねの営業職は若手が少ない世界らしいので、試行錯誤されながらお仕事に取り組んでおられる姿に、胸が熱くなる取材でした。
(仕事はPCではなく、全てiPadで済まされるそうです。)
地場産業に貢献したい。めがねの小売店で得た経験を活かして。
夏目さんは福井県越前市出身。島根大学で社会学を学んだ後、島根県のアパレル企業に入社。その後地元福井に戻り、めがねの小売店で2年勤務された後、ハローワークで青山眼鏡の営業職募集情報を発見して入社されました。
「いわゆるルートセールスで、北陸3県(福井・石川・富山)と滋賀県を担当しています。めがねの小売店や個人店に営業に行き、販売と合わせてお客様に寄り添った販売方法をご提案しています。昨今は若々しい中高年が増加していて若者向けのデザインが売れるだろうということで、売れる事例を紹介したり、各店に合わせたディスプレイ方法を考えています。
小売から営業に転職した理由は、以前勤めていた店舗が閉店して悔しい想いをしたので、他のめがね会社で地場産業に貢献したいと思ったからです。あとできれば土日は休みたいなと…(笑)。」
転職し、無事に土日が休みになった夏目さん。勤務時間は基本9時~18時ですが、小売店がオープンする10時に直接お店に行き、クローズする20時頃に直帰されるという営業職ならではの勤務も多いのだとか。さらに営業部では最年少ということで、良い面と悪い面について、どちらも聞いてみました。
「良い面は社内でも社外でも可愛がってもらえることと、なんでも教えていただけるところです。すごく得していると思います。悪い面は同世代が少なくて寂しいことですね。めがねのことを全く知らずに営業職に入るのは難しいかもしれませんが、なんとか若手を増やして盛り上げていきたいと思っています。」
お客様との深いつながりが、商品を売る以上の提案に向かわせる。
青山眼鏡の特徴として見逃せないのが、全国に広がるネットワークです。北海道から沖縄までお得意様がおられ、さらには海外事業部がアジア圏を中心に営業活動をされているそうです。
「営業企画が武器だと感じています。国内には7ヶ所の営業所があり、面的な幅広い展開が可能です。商品に関してはここ数年でヒットが続いており、営業として恵まれていると思います。また商品を売ることだけに限らず、売り方についての企画提案ができることが強みですね。小売店の方と一緒に悩んで作り上げることもあります。」
「小売店へ販売方法を提案する中で、結果が伴ってお客様が喜んでいただいたという話を聞くと、やりがいに繋がります。また、お得意先から“その商品は夏目くんだから買うんだよ”と言われて感動したことが印象に残っていますね。」
ご自身ではめがねのデザインや製造はできないため、その分営業方法を工夫していると話す夏目さん。現在約70店舗を担当されており、販売が伸びないお店に結果を出しているお店の手法をレクチャーして独自に工夫していくなど、小売店との良い架け橋を目指されているそうです。
「4年間働いている中で状況はどんどん変わってきていて、個人店が度々閉店してしまうのが悲しいんです。めがね業界を盛り上げるためにも、今は取りこぼしている小さいお店にももっと顔を出していければと考えています。」
(さばえものづくり博覧会2018で出展したブースに立つ夏目さん。)
最後に夏目さんがめがねを好きな理由を聞いてみました。
「ファッションとして楽しんでいて、今は10本ほど持っています。キャラ作りというか、個性を作り出すところが好きな部分ですね。私は立川志らくさんに似ていると言われるので、あえて印象が近づくようなめがねをかけています(笑)。4年間働いていてもまだまだ勉強するところが多いんですが、そんな奥深い所が魅力だと感じています。」
青山眼鏡でめがねを探求していくことは、きっと自分自身に返ってくる。タイトルにもある青山社長の言葉、仕事は「生きがい」ではなく「やりがい」を体現されているような、そんな気がしました。
丁寧なコミュニケーションで教え合える職場環境。攻めるものづくりを探求。
こんな夏目さんが前向きに働いている会社、青山眼鏡社長の青山嘉彦(あおやま・よしひこ)さんにお話を伺いました。
「弊社は眼鏡を通して人が明るく、快適な人生を送るためのお手伝いをする会社です。現在はアパレルブランドとライセンス契約をして作るライセンスブランド20種、私が社長になってから立ち上げた100%自社企画のオリジナルブランド6種を並行して進めています。」
創業は1964年。創業50年の節目を目前に先代から社長を引き継がれた青山さん。オリジナルブランド立ち上げも、初めての取り組みにお客様がどういう反応をされるのか不安だったと話します。
「不安ではありましたが、そこにオリジナルブランド販売の面白さと自由さがあります。ゼロから商品を作っていくので、販売員の方に我々の商品を優先的に紹介してもらうにはどうしたら良いか、手に取ってもらうにはどうしたら良いかなど、弊社に蓄積されたノウハウを使って、立ち上げ期を進めていきました。」
青山眼鏡は商社であり、工場は持っていません。しかしここでは「国内営業部」「海外営業部」「雑貨事業部」「商品管理部」「商品企画部」など、多くの部署に分かれてたくさんの方が働いています。グループ全体で140人を超える社員の方々とは、どのようにコミュニケーションを取られているのでしょうか。
「普段から人を寄せ付けないオーラを出さないように、話しにくいこともあるだろうから、なるべくフランクな雰囲気を出すよう心がけています。社長室の扉も開けっ放しにして、入りやすい動線にしています。」
トップである青山さんが丁寧なコミュニケーションを取ることで、周りのスタッフにもそれが伝播し、円滑な関係性が生まれていると取材中に感じられました。また、昔のように夜遅くまで働くことは少なくなっているらしく、各部署で効率を上げて仕事を終わらせ、帰りにくい雰囲気が出ないように工夫されているとか。
「若い方に、もっと興味を持ってもらいたいですね。若者が入ると職場が変わります。右も左もわからない人がいれば教えて育ててあげようと思うので、模範になるためにしっかりしていきます。教えられる新入社員だけが生徒なのではなく、教える側も勉強になる。会社って上手くできているなと、社長になって強く実感するようになりました。」
募集は職種ごとになっており、福井採用だと基本的には福井本社での業務になるようです。希望があれば転勤も可能ですが、仕事の前に生活のベースを築くことが大切だという言葉が印象に残っています。
伝えて繋げるプロデューサー。青山眼鏡ブランドを広げる商品企画スタッフも募集中。
「営業職ももちろんですが、商品企画職も募集しています。直接手を動かすわけではないですが、いかにメーカー様に自分たちが作りたいものを伝え、繋げられるかという業務内容です。営業が強い弊社では、商品の企画は楽しい仕事だと思います。
そして、めがね販売に関してはまだまだやれていないことがあるんです。多くのお客様に販売していただいていますが、置いていただいてないところもたくさんあります。商品企画スタッフの思いもあり、商品を届けられていないお客様にもお届けするために、丸くない尖ったデザインにも挑戦していきたいと考えています。」
めがね業界がどんなところかわからず不安だと思いますが、思い切って飛び込んできて欲しいと話す青山さん。めがねは顔の真ん中に位置するものだから、人の印象を作る大切なもの。そういう大切な部分のものづくりに携わってみてほしいとのことでした。
こども用めがね「めがね委員長!!」や、円谷プロダクションとコラボレートし、ウルトラマンシリーズをモチーフにした「A MAN of ULTRA」など、個性的なめがねをどんどん開発されている青山眼鏡。同じめがねのものづくりに取り組むのなら、新しいことに取り組む会社でめがね業界の未来を作っていきませんか?
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