【越前隊-vol:4/5】ほやっ停を、喜んでもらえる場所に。
地元に戻り、主婦でも働ける環境を求めて。
鯖江駅前で営業をスタートしたほやっ停は、2019年にふるさとである河和田へお引越しをされました。2021年にはクラウドファンディングをして、河和田の野菜や工芸品も購入できるショップとイートインスペースを併設した「山うにの里 ほやっ停」としてリニューアオープン。
今回お話をお伺いしたのは、2021年4月から「山うにの里 ほやっ停」の店長として働く渡辺三知恵(わたなべ・みちえ)さん。渡辺さんは、ほやっ停のある河和田町出身。小学生~中学生の、4人のお子さんを育てるお母さんです。
「私は、生まれも育ちも河和田です。社会人になってから河和田を出た後、15年くらいは新潟、埼玉、愛知など県外を点々と暮らしてきて、2015年に河和田に帰ってきました。」
――ほやっ停の店長になる前はどこかにお勤めされていたのですか?
地元の河和田に帰ってきてからは、河和田郵便局で働いていました。4人の子どもたちに何かあったときにはすぐに駆け付けたいので「家の近くで働きたい」と思い、河和田郵便局の窓口にいたのですが、業務上他の支店に行かなければいけないときもあり、4人の子育てをしながら働くのは少し大変なこともありました。
――越前隊の活動はご存知でしたか?
「山うにたこ焼きが始まってから、私も時々手伝っていたんです。私、たこ焼きを焼くのが好きなので(笑)。関くんは同級生なので頑張っている姿を見ていましたし、越前隊のビジョンのお話も聞いていました。
スタッフにならないかと話をいただいてはいましたが、郵便局の仕事を辞めるかは結構悩みました。越前隊が地元河和田のことを熱心に考えているのが頼もしかったし、関くんには「河和田の中に主婦が働ける場所を作りたい」という思いがあったので、一緒に作っていけたらと思い、子育てを優先することを条件に、ほやっ停で働くことに決めました。」
――渡辺さんのお子さんは、関さんのお子さんと同級生なんですね
うちの次男と三男が同級生です。子どもたちが同級生だからこそ、働く上での子育ての大変さも理解してもらえているなと感じています。学校の行事だったり、塾や習い事の送り迎えが必要なこともサポートしてもらえていますね。
ほやっ停の勤務時間は10時から18時で、アルバイトを含めた6人程のスタッフで回しています。私は子どものスポ少の付き添いなどもあり、店長ですが土日はお休みをいただいていて、頼りになるスタッフがお店を切り盛りしてくれています。
――河和田に帰ってきてからの子育てはどうですか?
やっぱり地元の河和田でする子育ては、まちの人みんなで育ててくれているという感じがして良いなと実感しています。近所の人が『ポケットに手を突っ込んで歩いていたよ』とか『最近挨拶してくれないんやけど、思春期なんか?』と、私が知らない姿も教えてくれます。新潟にいたときはそんなことなかったので、河和田の人はずっと見守ってくれているなと感じています。子どもたちも、友達の家の裏山で掘ったタケノコを持って帰ってきてくれたりしますしね(笑)
河和田はまち全体が遊び場というか、どこかで何かあっても、誰かが声をかけて助けてくれたり、連絡してくれるだろうという安心感を持って子育てができる町だと思います。
「ほやっ停に来て、喜んでほしい」母親、主婦目線の店づくり
2021年の4月までは、関さんや他のスタッフの皆さんが中心となって営業をしてきたほやっ停。店長として加わった渡辺さんに、今後の抱負を聞いてみました。
「女性目線、母親目線でお店を作っていきたいと思っています。この前、『小学生が下校途中に水を飲みに寄って帰るラーメン屋』がテレビで紹介されていて見ていたのですが、そんな感じで河和田の子どもたちも気軽に立ち寄ってくれるようなお店にしたいなと思っています。
店長として、どうやったらほやっ停に来て喜んでもらえるかを考えている所です。
ほやっ停特製の大判焼きである「かわだ元気焼き」をお小遣いで買えるように50円で提供してみたりゴールデンウィークにはハッピーツリーを作ってお客さんにメッセージを描いてもらったり。これからも色々な企画を用意していきたいと思っています。」
たこ焼きの出店を通して発信してきた「山うに」のこと
もう一人、スタッフの田邊祥基(たなべ・よしき)さんにお話をお伺いしました。
鯖江出身の田邊さん、同級生の紹介で地元の大学を卒業後、新卒で越前隊に入社しました。越前隊に入って4年目になります。
――越前隊ではどのような担当をされているのですか?
西山公園の道の駅や、各所で行われるイベントでの出店営業などを主に担当してきました。様々な場所で山うにたこ焼きを作り販売してきました。
――4年目ということは、初期の頃からですね
そうですね。まだまだ山うにを知らない方も多く、「山うにって何?」と聞かれて、説明させていただくことも多いです。
――4年経って何か変化はありますか?
色々な所で出店する中で、山うにを気に入っていただき、何度もリピードしてくださるお客様もいます。焼きあがりを待っていただく間に、僕が説明しなくても、山うにを知っているお客様が、他のお客様に山うにとは何なのかを説明をしてくださるときもありますね(笑)
そんな様子を見ていると徐々に知名度が上がってきたんだなと感じます。
越前隊のスタッフは、渡辺さんを始め関さんの同年代の主婦の方々が多い中、田邊さんは一番の若手です。入社から山うにたこやきを焼き続け、関さんの右腕のような存在として、越前隊を支えてこられました。
河和田にほやっ停がオープンしてから、土日はもちろん、平日でもお昼時には沢山のお客さんが入り、知名度をあげている「山うに」。コロナ禍では出張営業が軒並み中止となり苦しんでおられましたが、昨今イベント事も徐々に復活し始め、県内のイベントにあちこちから呼ばれ、引っ張りだことのこと。
これから、越前隊が目指すまちづくりを通して、地元の主婦をはじめ山うにの里に活躍できる場がどんどん増えていきそうです。
※次回に続きます。