根本楓 | 知り合いの輪を広げながら、空き家問題の解明へ。

いつもは鯖江市にある魅力的な仕事を紹介しているこのwebサイトですが、働くのは良いけど、住むのって大変なんじゃないか……と考えておられる方もいるのではないでしょうか。

生活環境を変えることはそう簡単ではありません。仕事も暮らしも、すべてが理想通りというのは難しい。いざ住んでみると、その土地の魅力の裏に厳しさが隠れていることもあります。

実際、鯖江市に移住した人たちは、何をきっかけに移り住み、どのように暮らしているのでしょうか。それぞれ全く異なる道を辿ってきた、8世帯の方のストーリーを紹介します。

 

関西にいながらも気になっていた地元福井県。ご縁があって鯖江市へ。

 

今回、お話を伺ったのは、根本楓(ねもと・かえで)さん。2019年7月に鯖江市地域おこし協力隊に就任。鯖江の空き家問題の調査や、空き家の有効活用から地域の活性化につなげようと日々奮闘されています。

「いろんなことがきっかけになっているんですが、大学時代の友人が鯖江市と連携しながら働いているのを見ていて楽しそうだな、私も鯖江に携わりたいと思っていました。」

根本さんは、敦賀市出身。大学時代は京都で過ごし、卒業後は一度実家のある嶺南へ戻り就職をしました。

「嶺南にいた時の職場は、9-17時の事務仕事でした。学ぶこともたくさんありましたが、仕事に対する体力・熱意を持て余し、もっとスキルを上げたいと、もう一度関西に戻り、大阪で広告の営業職に転職をしました。仕事の考え方やスピード感を学べたとても良い4年間となりました。」

大阪時代の2018年11月頃、鯖江に来て空き家を低予算でDIYならぬDIT(DoItTogether)のイベントに参加をしたという根本さん。「“低予算になりがちな改修費用をいかにやりくりするか”ということが課題になる空き家に対する、ヒントの散りばめられたイベントだなあと感じました。DIYに興味のある方はプロに工具の使い方などを教えてもらえる。素人仕事ではあるものの、人件費がかからないため改修コストの大幅な削減ができる。今思えば、完璧を求めないが故にWIN-WINが生まれる鯖江らしい考え方が面白かったんだと思います。」

「鯖江の面白さは、ゆるさと即決力。大阪で学んだ仕事のスピード感とはまた別の種類の話の速さ。スグつながって何でもまずはやってみる。挑戦の姿勢が強い市政を、嶺南にいたころは知らなくて。同じ福井県でも、鯖江で学べることがたくさんあるな~!とワクワクしました」

 

建築や不動産については未経験、でも鯖江が面白そう!

 

根本さんは鯖江市と連携協定を結んでいるNPOや、市役所の各部署と、全国的に空き家対策を支援している会社のサポートなどを得ながら、今の鯖江における空き家の問題点や課題点をどうすれば良いのかを検討していく仕事に携わっておられます。

「もともとは市役所の建築営繕課の担当の方が、相談窓口(使いたい・使ってもらいたい・解体したい…などさまざま)を受けたり、連携協定を結ぶ団体とのやりとりも行ったりしていました。市役所の職員は異動があるので、異動するとノウハウが蓄積されません。

そこで、地域おこし協力隊で空き家担当の採用枠ができて、私が引き継ぐこととなりました。」

明るく、人と関わることが得意な根本さん。

前職からの仕事としての関わりは全く無く、不動産や建築などは専門外でしたが、それでも良いということで、移住を決意されました。

現在は鯖江市役所の建築営繕課に席を置きながら、市役所に来る空き家の相談(再利用、販売、解体、事業)などの相談を根本さんが受けています。

「相談はほぼ毎日、1日1件ペースでありますね。様々な相談がありますが、空き家に住みたい、使いたいという空き家の利用の相談が多いです。利用したいという空き家のニーズはあるのですが、所有者が空き家を手放せない場合が多いようです。」

空き家自体ははたくさんあるのですが、家財道具の片づけや相続の関係、その他にも心理的な要因などがあり、放置されていることが多いです。また、“どんな人の手に渡るのか”ということにも不安が生じやすく、貸したり売ったりという手続きまでなさる方は少数派です。その結果、雨漏りなど、大幅な修繕が必要で使えなくなってから困って相談に来る人の方が多いです。」

東京・京都・奈良で研修を受け、空き家の対応窓口をしている人たちと知り合ってきたという根本さん。現在、様々な専門家からノウハウを学んでいます。

 

自らも空き家に住んでみる。暮らしてみて気づいたこと。

 

現在鯖江地区に住んでいる根本さん。

「右隣は、おばあちゃんの一人暮らし、左隣は老夫婦。ご近所付き合いも多いですね。この家は、元々ご近所の方が管理をされていたらしく、庭の木も綺麗に剪定されていました。お隣さんから庭に成っている柿をもらったりとか、駐車場を借りたりとか。住むときもすんなり受け入れていただけました」

持ち回りのごみステーション掃除や回覧板で回ってくる町内イベント告知の多さなど、大阪暮らしとはやっぱり違う部分もあるようです。

「以前住んでいた方の洋服や生活用品や家具、布団などは私が処分するということで借りました。3度ほどクリーンセンターに通って、何とかスッキリしてきました(笑)

でもその他には改修の必要がないくらい状態が良い空き家だったので、地域コミュニケーションの場づくりとして使えるようになればいいなと思っています。“住みびらき”まであけっぴろげにできる勇気はないので、徐々にとは思っていますが(笑)」

 

嶺南から大阪、そして鯖江へ 根本さんが見た地域の雰囲気の違いとは

 

嶺南、大阪、鯖江の3箇所で暮らしてきた根本さん。それぞれの地域や鯖江の印象を聞いてみました。

「鯖江の人達は自分たちでまず動いてみようという人が多い印象ですね。類は友を呼ぶなのかもしれませんが(笑)

大阪のときは、都会なので、物もイベントもたくさんあるけど、消費するだけになってしまって、楽しんで終わるというか…。前の会社の後輩たちも、「やりたいことが見つからない。なんか物足りない日々」に悩んでいる子が多かった。」

「大阪に比べると、鯖江はイベントの企画なども“つくるひと”が身近なので、消費するだけじゃなくて、一緒に携わって積み重ねることができるので、まちがジブンゴト化しやすい土壌があると思います。主体性を持っている人が多いから、人と人がすぐに繋がっていけるのかな。」

現在住んでいるお家の片付けをしたら、うるし電報が沢山でてきたそうです。

「うるし電報は、河和田地区が一世を風靡した商品。(この日取材の方に聞いて初めて知りましたが(笑))ひとつの流行りの名残が、この家にも残されていました。

美しい商品なので活用方法を見出していけたらとは思うのですが、そこはアイディア豊富な新しい職人さんたちに期待しています!さばえはそうやって、新しい土壌が生まれてくるまちだと知っているので。」

根本さんは、鯖江へ来て約半年。様々なイベントに出向いたことで、すでに多くのお知り合いが出来ているそうです。移住者も増えている鯖江市。積極的に外へ出て行くことで様々な出会いが生まれるのかもしれません。

お話を伺っていると、案外、市内の住民でも空き家を求めている人が多い様子です。根本さんの手によって、鯖江で出会ったつながりを生かしながら鯖江の空き家問題が解明され、活用されていくのか楽しみです。

 

 

【根本さんへの連絡はこちらから】
鯖江市都市計画課建築営繕グループ
メール:nemokatsu.sabae@gmail.com

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