小林大伸堂 | 一緒に働く全員が「しあわせで」あってほしい。女性が活躍できる職場づくりを目指して。
小林大伸堂は、福井県越前市で125年前に創業された印章店です。21年前に鯖江市に移転され、印鑑のインターネット通販の先駆けとなるなど、伝統の技術と心を守りつつ、新しい取り組みを続けておられます。
社員は現在16名。4代目・5代目の小林さんたち以外は全員女性という珍しい職場環境です。県外出身の専務が、子どもを育てる女性の社会進出を進めたことで今の環境が作られたそう。
「小林大伸堂」という社名だけを聞くと、「お堅い会社なのでは」と感じるかもしれません。でも、この記事で5代目の小林稔明さんとスタッフの朝井さんのお話しを読んでだければ、きっとそのイメージが変わるはずです。
お客様一人ひとりに寄り添う、幸せコンシェルジュの仕事。
メールや電話でのお客様対応スタッフである、勤続3年目の朝井さんに、お話しをうかがいました。
「小林大伸堂では私を含めお客様対応スタッフを“幸せコンシェルジュ”と呼んでいて、お客様の気持ちに寄り添い、その方の名前に込められた想いや願いをうかがいながら接客をしています。
私は前職が接客業だったこともあり、主に対面や電話での接客を担当していて、お客様に「幸せな気持ちで笑顔になって帰っていただく」ことを大切にしています。アパレル業界ではシーズンが変わるとそのブランドのファンがリピートされますが、印鑑はそうはいきません。1人1本をずっと使い続けるものなので、出会いは一期一会です。大切な方への贈り物や自分自身へのプレゼントなど、重要な場面での購入がほとんどのため、想いや願いをうかがう心の通った接客がとても重要なんです。」
ゆったりした語り口ですが、強い向上心を感じる朝井さん。「その一歩をあと押し」という企業理念を大切にされながら、自分自身ができることは何だろうということを真剣に考えておられました。
「対面でしか接客経験が無かったので、電話での接客は戸惑いがありました。でも、専務に「あなたの声は相手を笑顔にするね」と言っていただき、自信を持てたことを覚えています。」
「私は地元鯖江市の出身です。県内の高校を卒業した後、県外の大学に進学しました。アパレルの仕事がしたかったので、就職活動では県外と福井の両方で探していたのですが、給与面や家族のことも考慮して福井に戻ることを決めました。
その後、出産を機に退職して子育てをしていましたが、下の子どもが大きくなってきたので働きたいと思いこの会社の面接を受け、すごく印象が良かったのでここに決めました。
希望したお休みを取ることができるところも、選んだ大きな理由のひとつです。
面接を受けたきっかけはハローワークでの求人情報からなんですが、私の弟が結婚式のときに弊社の印鑑をパートナーにプレゼントしていたので、会社と商品は以前からよく知っていて、素敵だなと思っていました。」
故郷や家族を大切にしながら、できる範囲で働くことを選択された朝井さん。前職の経験がしっかりと生きているなあと感じるくらい、華やかできらきらとした語り口調が印象的でした。
子どもの生育段階によってフレキシブルに働ける職場環境
「入社当初は今よりも時間を短くしてもらって働いていました。今でも、毎月子どもたちの時間割とにらめっこしながら、退社時間を少しずつ相談して働いています。周りのスタッフも同じ年齢層の子どもたちを抱えているママなので、急な子どもの病気などで早退しなければならない時なども共感を得ることができ、気持ちよく働くことができるので会社にはとても感謝しています。
女性ばかりの職場ですので、ここでしか学べないようなことがたくさんあると思います。私はこの3年間で、特にマナー面が身に付いたと実感しています。得るものが沢山ありますし、ハッピーに取り組むことができる仕事だなと思いますね。」
お仕事をされている中で印象深い出来事はありますか?という質問をすると、どんどんエピソードが出てきました。
「たくさんあるんですけど、数ヶ月前にも「プロポーズするために印鑑が欲しい」と三重県から来られる方がいらっしゃいました。はじめは電話でお話していたのですが、実物を見たいと来店され、お話を伺いました。私自信はプロポーズ的なものが無いままに結婚したので、正直羨ましかったです(笑)
他にも、お子さんの就職祝いに心のこもった長く使える贈りものをしたいなど、色々な方の温かい想いに触れることができる仕事だなと思っています。」
これからのママたちに、大変な思いをさせないための場所。
そして最後に、5代目の小林稔明(こばやし・としあき)さん。現在31歳とお若いですが、しっかりとした芯の持ち主でした。
「小林大伸堂が、女性が活躍できる職場づくりを進めている理由は、先代の母にあります。10年前にローズストーンというブランドを立ち上げ、女性視点のものづくりを始めたのがきっかけです。
そもそも母は県外出身です。福井に来てからは子育てをメインにしていましたが、仕事もしていて苦しかったという経緯がありました。自分がした大変な思いを、これから両立されるママたちに同じ思いをさせたくないと、今の環境が徐々に構築されてきました。」
いまのスタッフにはほぼ全員子どもがおられ、その徹底っぷりがうかがえます。急遽子どもが発熱して早退することになっても仕事が回るようにチームを工夫されていたり、フルタイムでなくても仕事に集中できる環境を整えておられるのだとか。
「今の環境をつくるために、採用基準は厳し目にしています。幸せな人じゃないと幸せを届けられないと考えているので、前向きで素直な方を募集しています。男女問わず募集しているのですが、なぜか男性はほぼ来ないのが特徴です…(笑)」
幸せを届ける仕事をされている小林大伸堂は、やっぱり職場の雰囲気も幸せたっぷりな会社でした。「幸せな人しか幸せを届けることはできない」という小林さんの言葉から、職場環境を大切にされる意思を感じました。
ここで働いていたら幸せオーラに包まれて、すぐに結婚したくなりそうだなと取材しながら思った会社でした。ぜひあなたも「誰かのための」仕事をしてみませんか。
【小林大伸堂採用情報ページ】
https://www.kaiunya.jp/company/recruit/index.html