マコト眼鏡 | 人に優しい、アナログでしか表現できないめがねを作る職人の仕事。

先祖の増永五左衛門は社員の得意不得意を見極め、不器用な人には製造の仕事ではなく適材適所で独立をさせてめがねの仕事を分業制にしました。親子会社の下請け関係ではなく、みんなが経営者として競争しながら食べていける環境を作ったわけです。」

自社事業を推進すること自体がまちづくりになるという、現在の鯖江におけるめがね産業の基礎を作った方のエピソードを思いがけずに聞くことができ、いきなり感動してしまいました。

「日本全体を見渡すと、工場はあっても産地になっていないところが多いんです。鯖江のめがね産業が”産地”として、誇れるものになってほしい」と増永さん。つくるばかりの工場群ではなく、地域生活と密着した職のネットワークをもつ「産地」であってほしい、ということなのです。

その中心には、決して表舞台には出てこない、プロの職人の技術とプライドが光っています。

人が使うものだから、心を込めて作り上げたい。

人が使うものだから、人にやさしいものでありたい。

人が使うものだから、アナログでしか表現できないものがある。

募集するのはめがね職人。プロの職人を目指す方に見てもらいたい。究極のアナログを目指し、挑み続けるめがねメーカーをご紹介します。

一枚一枚が真剣勝負。セルロイドが持つ魅力から『歩』を作り上げる職人の仕事。

マコト眼鏡は鯖江市丸山町にある会社。

創業は1973年。社員数は10名と小さな町工場ですが、その実態は、福井県に眼鏡を持ち込んだ始祖、増永五左衛門の血を受け継ぎ眼鏡をつくり続けている会社です。

お話しを伺ったのは代表の増永昇司(ますなが・しょうじ)さん。鋭い眼光の中で、ふと見せる笑顔が印象的で、お話しにグイグイ引き込まれていきました。

増永さんは大学卒業後、大阪府茨木市にある市民会館の音響担当の後、地元の新聞社で報道記者を6年間経験、そして30歳で今の会社を継がれました。

「マコト眼鏡は"歩"というオリジナルブランドを持っています。経年変化に強いセルロイドと永遠の輝きを保つチタンの組み合わせで、良いものを老若男女問わず長く使ってもらいたいと考えています。」

歩はセルロイドしか使っていないのですが、大量生産することを考えると、磨きが難しいことと加工に気遣いが必要なことなど、欠点はたくさんあります。でもセルロイドは中からじゅわ~~っと内側から湧いてくる艶があるんです。このセルロイド本来の光り方を出す磨き方には技術が必要で、職人はセルロイドを一皮剥くと言います。時間も手間もアセテートの約10倍かかりますね。」

数値化できない正確な手の動きを、何度も何度も繰り返し、て『歩』は作られます。この磨きができるまでに、相当な修行が必要と増永さんは話します。

「高性能な機械やロボットを導入している会社も増えてきましたが、どうしても人の手で行うことは外せないと考えています。だからこそ、マニュアル化が難しいこの仕事ですが、ベテラン職人による若手への指導は工夫しています。」

入社するとベテラン職人指導のもと、めがね産業を担うプロの職人を目指していくことになります。

めがね産業を100年続けていくための視点と志。

「マコト眼鏡では、2015年からブランディングディレクターを株式会社和えるの矢島里佳さんにお願いしています。お願いしている理由は里佳ちゃんの"自分が子どもの頃に使っていたものを、自分の子どもや孫に引き継いでいく"という視点です。めがね産業を今後100年続けるためには、この視点が必要だと感じました。

常に自社だけでなく産地全体のことを考えて話をされる増永さん。五左衛門イズムを継承したものづくりの姿勢から、本当にこのまちを愛されていることが伝わってきます。

「新しい視点を手に入れて大きく変わった点は、消費者目線になったことです。わかりやすいところでいうと、サイズと共にその意味を表記しました。数字が意味するものが入ったことで、これまで業界用語だったサイズ表記が一般ユーザーにわかりやすいものになりました。作り手の想いを伝えることも大切ですが、消費者の求めていることを形にすることも大切だと学びました。」

我々は毎月たくさんのめがねを作りますが、お客様が手にとるのは一つだけ。

『歩』というブランドを作り続けることで、きちんと鯖江のめがねのことを伝えていきたいと増永さんは話します。

前向きで「本物」を目指す人に来てほしい。何が出来るかは、やってみてから。

「人には得手不得手があります。うちを選んでくれた方には、自分が得手とすることのプロ・職人になってほしいと思っていて、そのための援助は惜しみません。私には息子が二人いるんですが、30歳までに自分の社会的な立ち位置を決めろといっています。そこで会社を継がないという選択をするのならば、他の人に継いでもらうことも考えています。」

マコト眼鏡の仕事は華やかなものづくりではありませんが、高い技術とプライドを持ったプロフェッショナルな人材が多数所属されています。「一つのことを極めたい」「アナログな仕事にこそ意義を感じる」という方にとっては、仕事をまるごと喜びに変えてしまうほどのやりがいとチャンスがある職場だと感じます。

「私は"本物に触れたい"という人に本物を伝えていきたいのです。」

本物を目指す方は、ぜひ連絡してみてください。

【連絡先】
株式会社マコト眼鏡
0778-51-5063(平日9:00~17:00)
sma@ayumi-brand.co.jp
http://www.ayumi-brand.co.jp/

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