西村プレシジョン | 固定概念に囚われずにめがね業界に新風を。老眼鏡の価値観を一新する仕事。

めがねはたくさんの「見えない」があります。しかし、それを解決し「見える」にする。良いプロダクトを作れば作るほど、結果的にたくさんの人たちを救う仕事だと、一連の取材を通して感じています。その感覚を特に強く感じたのが今回の取材でした。

スマートでおしゃれで、薄々なのでどこにでも持ち運び可能。「ペーパーグラス」という薄さ2mmの老眼鏡ブランドを展開する株式会社西村プレシジョン。Made in Sabaeで、世界中へお届けされています。目が悪い方も悪くない方も、ぜひ読んでみてください。

新しい老眼鏡をつくるため、友人から仕事仲間へ。

飛山昌久(とびやま・まさひさ)さんは現在43歳で入社3年目。鯖江市のお隣、越前市のご出身です。同業界の他社で仕事をされていた飛山さんが、転職しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

「もともと西村プレシジョンは1993年に設立され、関連会社の西村金属の販売会社として「精密な切削パーツの受注販売」を行っていた会社です。2000年頃に、現会長が「たたむと薄くなるめがね」を作ろうと、プロダクトデザイナーと何年も試行錯誤を繰り返して「独自構造」を開発し、特許を取得してペーパーグラスの原型がスタートしました。

当時は「栞」という名前で、クレジットカードのような使い勝手を目指しておられたそうです。毎日必要ではないけれど、持ち運べて必要な時だけ使えるようなものを作ろうと思ったと聞いています。」

現在ペーパーグラス事業の事業統括をされている飛山さん。スタート時を振り返ります。

「西村プレシジョンはメーカーに部品を販売する下請け会社でした。下請け会社が自分たちで商品を販売することは取引先と競合してしまう場合もあるため、当時はメーカーになることを選ばずにあるメーカーに販売を任せることにしたと聞いています。

しかし、なかなか売れず、すぐに販売を辞めてしまい10年ほどアイデアが塩漬け状態になりました。もし復活させるなら販売も自分たちでやろうと決意し、改めて2013年に西村プレシジョンのオリジナルブランドとして販売を再開。名前も「ペーパーグラス」と名付け直しました。」

「私自身めがね業界は長くて、社長の西村昭宏とは昔からの知り合いでした。当時別の会社に勤めていましたが、西村から“薄型構造のめがねを製造販売していきたい”という相談を受けており、外部からアドバイスをしていました。」

この頃は販路がなく、インターネットのみで販売をされていたそうです。1ヶ月に1本売れたら喜んでいるような状態だったとか。

その後ペーパーグラスはクールジャパンの一環としてイタリアで発表したり、2013年にはグッドデザイン賞を受賞したりと大躍進を見せます。その間ずっと外から友人としてサポートを続けて来られた飛山さんですが、3年前についに入社して本格的に関わり始められたそうです。

異分野での経験が生きる職場環境。今までに無かった市場を目指して。

お話を伺っていると、企画・製造・直販という仕事上、スタッフにはめがねの仕事を長く続けてこられた方が多いのかなと感じますが、スキルとしては何が必要とされるのでしょうか。

「弊社は音楽・家具・ファッション・販売など、他の業界から来ている人の方が多いんです。実はめがねの経験があるのは私と次にお話する山田の2人だけ。しがらみが無く、固定概念に囚われない手法でここまで拡大してきました。

ペーパーグラスは新しい商品だと思っているので、新しいことをしたい人、新しい風を吹かせたい人は向いていると思います。40歳以上(ペーパーグラスを使用する世代)を相手に接客をしていたような方だと、色んな仕掛け方ができるはずです。」

手帳のスリットに入れる実演をしてくださる山田さん。2mmってこんなに薄いんですね。

2018年4月からは洋服の青山の約100店舗で販売が始まり、波に乗るペーパーグラス。他にも色々なところに広がりを見せています。

「ネット販売でスタートしましたが、きちんとアドバイスをして売ることが大切と考えて始めたのが百貨店での催事です。その後売りっぱなしではなく、アフターフォローを考えて始めたのが直営店。ネットで購入された方にも対応できるようにしており、現在福井・東京・大阪・福岡に店舗があります。」

海外展開も積極的に進めおられ、パートナーである代理店が中国・台湾・韓国にあり、フランチャイズでお店も展開されているのだとか。

「客層が広がってきたので、営業マンがほしいですね。BtoBではアパレルの洋服の青山だけでなく、雑貨屋や本屋など、色々な業種と協業できるはずです。販路がめがね屋に限らず、今まで業界として市場が無かった部分なので、仕掛け方が多様です。めがねが好きで思いが強い人に来てもらえたら嬉しいです。」

淡々と、しかし熱い語り口の飛山さん。仕掛けたいことが山ほどあって、話している間もずっとワクワクされているような印象を受けました。取材後も、新商品をどんどん発表される西村プレシジョン。上がり調子の職場はきっとやりがいを感じられるはず!

自分で考えて仕事ができる喜び。心地よい刺激がスタッフ間にある。

続いて、西村プレシジョンでペーパーグラスの開発と生産管理を担当されている山田浩輝(やまだ・ひろき)さんにお話をお伺いしました。

山田さんは福井市のご出身で、以前西村金属に勤務された後、他のめがね会社を経由して戻って来られて今年で4年目になります。

「西村プレシジョンは自分で考えて行動できる会社なんです。前の会社でも開発部にいたんですが、OEM生産だったので、自分には決定権がありませんでした。当然今の方が悩むことも多いのですが、自由度を求めて戻ってきました。」

「悪い意味ではなく、生産管理の仕事にはやりがいは感じていません。生産管理が完璧にできていることが前提で「開発」があるので、やりがいを感じている場合ではないんです。その分製品にはかなり自信を持っていて、この良さを多くの人に届けたい。みんながペーパーグラス持っているということは、それだけ老眼で困っている人が減るということです。」

クールで口数は少ない山田さんですが、端々から製品に対する自信を感じます。

「自由にやらせてもらっている分、セルフコントロールをしっかりしなければいけません。他のスタッフも自分でやりたいことややるべきことを見つけられる方々なので、いつも刺激をいただいています。」

慣れないうちは自分の舵取りに苦戦する人が多いため、毎週の進捗会議と開発会議があり、自由になりすぎる空気をコントロールされている社内。週1回開催されることで、毎日のちょっとした問題を解決するのに役立っているのだとか。

「自由な社風は維持したいですね。でも考えていることに時間を割けていない現実もあるので、もっと人が欲しいとは思います。人が増えると自由度は下がるので、悩ましいところです。

ペーパーグラスは老眼鏡ですが、サングラスも開発中ですので、今後はユーザーの年齢層も広がっていきます。商売の相手がめがね屋じゃないめがね、ぜひ一緒に作りあげていきましょう。」

最後に鯖江市の良いところについて聞いてみました。

「最近は忙しくてやっていませんが、以前は昼からBBQしよっさ!ということがありました(笑)そんな気軽さが、都市には無い鯖江の魅力かもしれません。」

さらに鯖江にいるとどこに行ってもめがね関係の人に出会えて仲良くなれると山田さん。仕事関係ではなく、ライブハウスや居酒屋に行ってもめがね関係者がいるそうで、鯖江のまちを楽しんでおられるとか。

今まで全く違う分野の仕事をしてきたあなたこそチャンスかもしれません。西村プレシジョンでは、新しいことに挑戦する異分野からの訪問を心待ちにしています。

鯖江であなたの経験を活かして、めがねの仕事で大暴れしてみませんか?

【連絡先】
株式会社 西村プレシジョン
0778-51-0127
info@nsmr-p.jp

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