三工光学 | 家族みたいな関係でフレンドリー。しかし仕事は「真実一路」をモットーに、一貫生産でめがねをつくる会社。
ひとつのめがねが完成するまでにおよそ200~250の工程が必要とされており、携わる会社の業務内容も様々。各社ホームページやハローワークでの求人を見ても、自分が何に携わることができるのか分かりにくいのが現状です。
そんな中、一貫生産でめがねのほとんどに携わることができる会社があります。
鯖江中のめがねが集まるめがねミュージアムで一番のリピート率を誇るめがねを作っている株式会社三工光学。95年の歴史があります。
インタビュー中に端々で感じた、とにかく人を大切にされていることが滲み出てくるお話を、少しでもこの記事で伝えられればと思っています。
まずお話を伺ったのは、入社5年目の総務部の用田早紀(ようだ・さき)さん。
地元鯖江出身で、入社前は地元の携帯ショップで働いておられ、最初は派遣社員として三工光学へ。仕事ぶりと柔らかい人柄が気に入られ、すぐに正社員になられました。今は1人のお子さんを育てながらの勤務です。
同僚や出入りされる取引先との関係、鯖江での子育てについての話などから感じる、素直な三工光学を知ってください。
フレンドリーで家族みたいに和気あいあいとした職場環境。
「鯖江にはめがねの会社がたくさんあるんですが、ここは電柱広告でよく目にしていて名前だけは知っていました。それだけ目に付くのなら安定感のある会社だろうと思い安心して入社しました。家族もめがねの仕事をしているので、業界に抵抗はありませんでしたね。」
三工光学はどんな会社だと思いますか?
「とてもフレンドリーな会社だと思います。私が接する社員は親くらいの年齢の人が多いのもあり、家族みたいな関係で和気あいあいとしています。少し前に1年間の育児休暇を取らせていただいたんですが、休暇が終わって戻ってきたとき、社員だけでなく、出入りされる取引先の方にも「待ってたよ」と暖かく迎えてもらいました。主婦の方にご飯についてアドバイスをもらったり、アットホームな空気が嬉しいです。」
総務部で全部署と関わりながら、会社の中で誰よりもコミュニケーションを取る用田さん。80名おられる全従業員の方の顔と名前を把握していて、頼りにされているそうです。
「今は事務や庶務が仕事の中心ですが、今後は組織全体を良くするような、効率改善などもやっていきたいなと思っています。社内行事は総務で企画することが多いので、今も提案はたくさんさせていただいていますが、社内の雰囲気作りの面で会社を後方支援していきたいです。」
鯖江で暮らし、働くこと。社内も家庭も上手く回してほしい。
三工光学は福利厚生もしっかりしており、女性が働く環境がしっかり整っていると語る用田さん。社員80名中30名が女性とバランスの取れた男女比のオフィスで、社内の空気をさらに良くしていきたいともお話されていました。
「一貫生産でめがねを作っているのがうちの強みです。ものづくりが好きということが基本ですが、語学力を活かして海外担当をしている人もいるし、企画力を生かして、新企画の提案をしている人もいます。めがねには工程が何百もあるので、自分に合った分野を会社の中で見つけられれば、男女関係なく活躍の場はたくさんあるんです。
私はそこまでめがねについて詳しいわけではありませんが、鯖江出身としてめがね産業に携われて嬉しいですし、やりがいを感じています。」
少しでもめがねに興味があれば、きっと力が発揮できると用田さん。自分が楽しく仕事をしていることが、社内も家庭も上手く回すコツですとキラキラした笑顔でお話しされていました。
最後に鯖江のおすすめスポットを聞いてみました。
「メジャー過ぎますけど、西山公園かな。よくレッサーパンダに会いに行きます。育児面で言うと、ちょっと買い物に出かけたときに知らない人でも気さくに話しかけてくれる、田舎ならではの良い環境があります。この場所以外では子育て出来ないと思っているくらい、住み心地は鯖江が一番だなと思います。」
人を育て、業界を育て、社会を育てる。
次にお話をうかがったのは、会長の三輪要一郎(みわ・よういちろう)さん。人を大切にする三工光学の経営について教えていただきました。
「弊社は求人に、特に力を入れてきた会社です。他のめがねの会社と比べても、ウチほど力を入れた会社は少ないと思うね。」
三輪会長は静かに話始められました。
「当初は河和田地区の別司町に会社がありました。業務拡大のため別司町で人を集めようと思ったときに、そこには「織物」「漆器」「めがね」の3本柱が既に地域産業としてあったので、無理に人を取り合おうとせず、遠くに人を求めました。めがね関係では初めて九州方面に求人に出かけ、12名採用させていただきました。そのときの社員が、まだ会社にいるんです!定年になったけど、再雇用してまだ頑張ってもらっています。」
平均年齢は40歳。若い人たちをしっかりとした社会人に育てることが、会社の役割だと話します。
「若くて夢のある人が一番育て甲斐がありますね。お前のところに息子・娘をやるから、面倒見てほしいという声がたくさんあるんです。こうして会社を信じていただいていることが、とても嬉しいんです。」
老舗でありならがチャレンジャーでもある、三工光学の姿勢。
もちろん作っておられるめがねにもかなりのこだわりが。三工光学は老舗でありながら、1940年に早々とセルロイド眼鏡を製造されるなど、素材面では業界初の取り組みなどを次々と実施してきた開拓者でもあります。
「めがねへのこだわりをお伝えすると、どこも調整することもなく、顔にピシッとかかるということです。「めがねは顔にかけて調整する必要がある」ということを忘れてしまうめがねなんです。こういった単純なことで、生き残ってきました。」
三工光学のめがねは、鯖江にあるめがねミュージアム内のめがねショップでリピーターが一番多いとだとか。でも手間がかかっているので、儲けは少ないそう。それでもこれまでやってこれたのは、社員が頑張ってくれたからだと三輪会長は話します。
(バネの伸縮性を見せてくださる三輪会長。折れそうですが、折れません。)
「例えばツル部分のバネ材を維持するための「なまし」や「ロウ付け」など、上手く生産するための研究開発には本当に苦労しました。コストがかかり過ぎるので、もう止めようかという話も何度もありました。自慢にはなりませんが、今もスムーズにいっているとは決して言えません。やればやるだけ細かいところが気になって納得できなくなるんです。」
「私は一番初めに仕事についたときに、真実のみを信じてそれを貫くことを意味する「真実一路」をモットーとしていました。今はフーテンになりましたけれど(笑)」
「社員の頑張りでここまでやってこれたし、これからも頑張っていきたい。」と語る三輪会長。社員を大切にする老舗には、仕事を大切にする社員が育っているようです。
「若い人を大切に」
言葉だけではなく、社会カルチャーとして実現できている。安心してチャレンジできる、そんな仕事ができそうな会社だと思いました。
三工光学に何か一つでも気になる部分があったなら、未来のためにチャレンジしてみませんか?「人をつくる会社」があなたの連絡を待っています。
【連絡先】
株式会社三工光学
0778-52-0353
info@sankokogaku.co.jp