【さばえSDGs推進センター-vol:5/5】2030年に向けて。鯖江市とSDGsはどのようになっていくのか。

将来は、日常的になっていることかもしれない。

(仲倉)
いつもセンターの職員と話しているのは、「意識をするところからスタート」だなってことです。

知って、理解して、行動に移して、いつのまにか日常になる。ペットボトルの分別なんかはまさにそうで、最初は誰もしていなかったけど、いつの間にか日常になっていますよね。若い世代は環境のためとか意識をすることなく、ごく当たり前にそういった行動をしています。私たちがハードルが高いなと思っていることでも、将来的なことを考えて意識して行動に移していけば、5年後10年後には日常になっていくと思うんです。

ーー継続することが大切ですね。鯖江は女性活躍が進んでいますが、昔何か特別な取り組みがあったのですか?

(関本)
行政としては女性管理職を増やしてきましたが、最初はみんなやりたがらなかったんですよね。

(仲倉)
誰でもそうだと思うのですが、家事や育児、介護など、やることや考えることが頭の中に浮かんできて、どちらかというと女性の方が、自分にはとても無理だと思う方が多いのは事実としてありますね。

鯖江市は地方のロールモデルとして、誰もが管理職になってもいいような職場環境づくりを進めています。最初はもちろん大変だと思いますが、それが当たり前になってくると思います。かといって逆差別になってもいけないので、バランスを取ることは大切ですが。

(関本)
今では反対する人はいないと思いますし、この状態が普通になってきているので、最近は会議で男性が多いと違和感を感じるようになりました(笑)

ーー地方と都会では認識が違うこともあるのでしょうか。

(仲倉)
東京の方のお話ですが、都会の人の方が「私は男性」「私は女性」と、意識する時期が早いのではないかと感じるそうです。
ネガティブな例ですが、例えば電車に乗って痴漢にあったりすることで、私は女性なんだって意識したり。地方では社会に出てから男女の格差を痛感することが多いんじゃないかと言っておられました。

今では、中学校や高校でも生徒会長や部長などに女性が立候補するというのも普通になってきているので、今の子どもたちはあんまり男女差別って意識していないのでは?と感じますね。性差別というと男女というよりはLGBTQ+の方に意識が高いと感じます。

 ーーYouTuberも発信していたりもしますよね。若いうちから色んな声を聞いて、自然と理解しているのかもしれませんね。

(関本)
日本には、人口の1割弱がLGBTQ+の当事者だと言われているのですが、その子たちが思春期になったときに、LGBTQのことを知らなければ自分自身のことが理解できません。親にも相談できずに学校に行けなくなったり、自殺してしまう子もいるそうです。だからこそ、LGBTQ+について知っていることや、理解してもらうということが大事だと思います。

僕らの時代だと、性的少数者には否定的だった。「普通じゃない。」って。知らないって恐ろしいことだなと思います。

(仲倉)
鯖江市はLGBTQ+の人がいても、ごく自然にうけいれられるような地域になれたら良いなと思います。

サマンサさんは海外視点から見たジェンダー平等についての講演会やセミナーを行っています。「普通はーー」っていうと「普通」ってなんですかとサマンサさんはよく尋ねてくるんです。どういう基準で「普通」と言っているんですか?と。確かにそうですよね。私も、講演会やセミナーは何度も聞かせてもらっていますが、毎回新しい気づきがありますね。

ーー印象的だったお話はありますか?

(関本)
毎年3月8日は、国連によって制定されている国際女性デーで、日本でも「女性の生き方を考える日」として、男女共にジェンダー平等を考えアクションします。残念ながら参加するのは女性ばかりなのですが、海外では半分は男性が参加しているんです。女性デーは女性のためだけのものではない。レディーファーストも間違った概念だし、そこから差別が始まっているんだということに気づけましたね。

(仲倉)
2021年6月号の広報さばえでは、目標5『ジェンダー平等の実現』にちなんで、LGBTQ+の特集が組まれたのですが、市民の方や職員など、誰からも疑問や反対が出なかったんです。広報に取り上げたことも、反対の声が出なかったというのも、内側から少しずつ変化してきているんだと思います。

(関本)
SDGsを通して、目標5『ジェンダー平等の実現』に限らず、色々な視点で見ているとやっぱりもう待ったなしなんです。このまま温暖化が進めば南極や北極の氷が一気に解ける。日本の砂浜は9割無くなる。急激に気候変動が起こって、日本に食料が入って来なくなる。そうなったら破滅ですよね。だから今、国も必死に動いているんだと思います。だから真剣に取り組んで広げていかないと。

 2030年にむけて。センターからみんなで。

ーー市民は今後さらに、SDGsをどうやって取り入れていけばいいんでしょうか?

(関本)
市民の皆さんには、まず知ってもらわないといけないと思います。そのために私たちのセンターがありますから。知って理解してもらえれば、きっと行動してくれると思うので。

(仲倉)
今は、個人のSDGs取り組みの見える化を考えています。最終的にどういった形になるかはわかりませんが、見える化すればモチベーションにもつながるはずではないかと話しています。

例えば川の清掃やごみ拾いに参加したら「15番の海を守ろう」にあなたは寄与しましたと表示されて、周りにもわかるようになるとか。何気なく参加したことが、SDGsを取り入れていたということを知ってもらうことが、広めることにつながるのかなと思います。

現在、SDGsアプリの開発を検討しており、鯖江の地域通貨ハピーの電子化と連携できないかと話しています。ゲーム感覚で出来れば受け入れられやすいのかなとか、考えている所です。

ーー2030年の鯖江市はどうなっていると思いますか?

(仲倉)
実際、2030年までにSDGsの目標がすべて達成できるかと言われると、とても難しいかもしれません。
恐らくあと3年後くらいにはこれまでの課題を洗い出して、2030年から2045年に向けた、次の目標を立てていく準備がはじまるのではないかなと思います。まずは、「意識をするところからスタート」なので、誰もが他人事ではなく自分事にできるように、さばえSDGs推進センターから伝えていきたいと思います。

【さばえSDGs推進センター】
〒916-0042 福井県鯖江市新横江2丁目3番4号 めがね会館9F
TEL:0778-42-8938
FAX:0778-42-8939
開所日:月~金曜日 9時 ~ 17時
https://www.sabae-sdgs.jp/

※全5回終了。

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