サンルックス | 〇〇が付くほど真面目な会社。鯖江でも珍しい、度付きレンズをつくる仕事。
毎日拭いても傷がつかないめがねのレンズ。鯖江のめがねを支える技術がここにありました。
株式会社サンルックスは鯖江市丸山町にある会社で、度付きレンズを作っています。度付きレンズを作っている会社は鯖江に2社、日本で10社も無いくらいと少数。いったいどんな風に作られているのか、想像出来ない方も多いと思います。
「ざっくりいうと、温めると固まる液体を使ってレンズを作っていきます」
そう話してくれたのは入社4年目の中川智仁(なかがわ・ともひと)さん。
終始にこやかな中川さんは滋賀県甲賀市出身。大学から福井県に来て、新卒でこの世界に飛び込んだ。
本社調合注入グループに所属し、「素材の調合」と「型への注入」が中川さんの主な仕事で、今回募集するレンズを製造する仕事です。
現在85名ほどが働くサンルックスとは、いったいどのような会社なのでしょうか。
指導教官におすすめされて入っためがねの世界。突き詰める性格が活かせる会社。
「サンルックスには営業職などは無く、全員がレンズの製造に携わっています。社内ではグループに分かれて、業務に当たります。私は本社調合注入グループに所属し、細かくは出せませんが、エピスルフィド・イソシアネート・エステル・メルカプタンなどの素材を使用しています。」
入社3年目の中川さん。入社後はマナーや世界情勢などについての研修があり、そのあと現場に入り、OJTで仕事をしながら学んでいきました。徐々にできることも増えてきて、原料の仕入れや、レンズの色調検査(レンズに光を当てて、透過しているかを確認する検査)なども携わっているそうです。
「大学では環境生命化学科で、光化学を専攻していました。光の性質を使って環境改善ができないかという研究です。環境分野からは畑違いの弊社を知ったのは、大学の指導教官に紹介していただいたことがきかっけです。」
大学2年生まではとにかくゲームに熱中し、好き勝手していたという中川さん。3年生で研究室に所属してからは、何かと研究室に顔を突っ込んでは手伝っていたと話します。
「レーザーを環境に悪い物質に当てて分解するという研究をしていて、指導教官に自由に研究室を使って良いと言われていたため、先生に迷惑をかけながら夜な夜な実験をしていました。」
趣味と仕事を掛け合わせる。働きやすい環境は自分で作っていく。
「主観ですが、この会社の良いところは、ミスをしても次に繋がるように指導して下さる上司が多いところだと思っています。最初は怒られるんじゃないかとビクビクしながら仕事していましたが、丁寧に教えていただき、感動しています。」
入社して半年ほど経ったとき、タンク内の調合を間違えてレンズの枚数にして700-800枚をダメにしてしまったそうです。工場長に謝罪に行き、適切な指導をしていただいたことで、ミスの理由をしっかり共有して次につなげることができたのだとか。
「そのこともあり、同じミスを繰り返さないように徹底する意識が芽生えました。当時はめちゃくちゃ焦って反省しましたけど(笑)」
「大学時代に引き続き今でもゲーム中心の生活をしているのですが、やはり仕事の方が大切なので、効率を求めないと時間が限られます。日々のルーチンワークは、ゲームで培った効率化と時間短縮を応用し、現場に生かせていると思います。
仕事をゲームに例えると、RTA(リアルタイムアタック:ゲームスタートからクリアまでの実時間の短さを競うこと)だと思っています。俯瞰して、ゲーム感覚で仕事すると、私は本気になれるんです。」
気づいた効率改善案に関しては、積極的に提案されるという中川さん。自身の業務を俯瞰して見ることができているからこそかも知れません。
「だいたいは却下されるんですけど(笑)。思ったことは全部口走るようにして、それが使えるかどうかは上司が判断しやすいように提案することを心がけています。」
最後に、どのような方がこの仕事に向いているか伺いました。
「仕事を楽しんでくれる人が良いと思います。仕事を仕事と思うとしんどくなるので、楽しくするんです。自分はゲームですが、自分に合った仕事スタイルをうちで身に付けていただければ。」
離職率は低く、中川さんの同期5名は仲良く切磋琢磨されているそうです。プライベートでも、カラオケに行くなど交流が続いているのだとか。
若手も女性も働きやすく。人も夢も諦めない会社を目指して。
続けて、社長の長谷仁(はせ・ひとし)さんにスライド資料と会社内を見学させていただきながらお話を伺いました。
「サンルックスは今年で創業41年目。前身に日本におけるプラスチックレンズの草分け的な存在の日本レジンという会社がありました。めがねのレンズがまだほとんどガラスレンズだった時代で、日本に売り先が無かったので、海外に売っていました。業務提携先であった旭光学工業株式会社(現リコーイメージング株式会社)がレンズ事業から手を引いたため、当時の代表が引き継いで、サンルックスを作りました。その後、ガラスのレンズを売っていた東海光学に業務提携を持ちかけ、現体制がスタートしました。」
サンルックスはバカが付くほど真面目な社風だと長谷社長は話します。さらに職場の女性比率は昔から高く、今は少し減って男女半々くらの比率なのだとか。
「仕事ではできるだけ多能工を目指しています。小さな会社なので、全体を見渡して対応できるようになってもらいたいと思っています。化学の工場なので、危険物取扱者や有機溶剤作業主任者など、資格取得については奨励金を出すなどバックアップしています。その甲斐もあり、若手で挑戦する人たちが増えている状況ですね。」
関連会社である東海光学の古澤武雄会長の『人を創って夢を実現する』という著作にあるように、サンルックスも人を大切に育てる企業文化をお持ちだと、インタビューから感じました。
安定しているからこその挑戦。次の事業の柱を目指して。
「製造した全てのレンズの売り先は日本の市場で2割のシェアを持つ東海光学なので、安定しています。しかしそれだけだとサンルックスの名前はどこにも出てきません。今後はレンズ以外の売り上げを作っていきたいと考え、縁あって、放射線用の学校教材を作っていくことになりました。」
しかし立ちはだかったのは「放射線」というだけで教育現場から敬遠されてしまう現実。普及に向け、日本原子力機構(正式名称:国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構)などで放射線のことをしっかり学び、専門家とも意見交換を積極的に行い、地道な活動を続けられたそうです。
「試行錯誤の後に生まれたのが『学校教材用放射線観測プラ板-Sun9』や『生分解性 放射線実験樹脂』です。商品化は難しかったのですが、なんとか弊社の開発メンバーによって商品化することができました。これは非常に評判が良く、学校現場でも活用いただいています。」
レンズでは社名が出せなかったけれど、教材では出していける。こんな会社があるということを話せるので期待していると、長谷さんは話します。
「人間の五感の中で、目からの情報が一番多いと言われています。人の役に立つことに携われる、無くてはならない意義のある仕事だと思います。」
最後に、鯖江の好きなところについて伺ったところ、たくさんのおすすめをいただきました。
「色々ありますが、食べ物が美味しいのが一番良いと思っています。お米、魚、蕎麦ですね。それから物価が安いです。家を新築するのも安くて、建売も土地付きで2000万円を切ってるのもあります。家を建てて根を下ろす場所としてはおすすめだと思います。そして、人が少ないので混まないことです。つまり無駄なものが少ないので時間を大切に有効活用できるということです。不便かと言われると、となりに県庁所在地があるから別に生活に不便はしません。病院もたくさんあって充実していますね。」
サンルックスでは、将来的にリーダーになっていけるような、意欲と意思がある方を募集中です。福井県の人はおとなしく引っ込み思案な方が多いと言われることもありますが、組織を動かすリーダーになってみたい方は、ぜひご連絡ください。
【連絡先】
株式会社サンルックス 管理部 採用担当 真保
0778-52-1311
saiyo@sunlux.jp