鈴木眼鏡工業 | ここでしか味わえない感動を。大切なめがねに込められた思いをつなぐ、めがね修理の仕事。
「販売をしたときの“ありがとう”と、修理をしたときの“ありがとう”は違うんですよね。
前職のめがね小売店で経験したことなんですけど、もうボロボロで直らないんじゃないか…と思って店に持ち込まれためがねを鯖江のめがね修理業者に送って、綺麗になって返って来たものをお渡ししたら、とても喜んでいただけたんです。それで、自分で修理がしたいと思っちゃったんです。」
新卒で大阪のめがね小売店に入社し、販売接客を2年半経験。店長などを経験した後、退職して4年前に福井県に引っ越してきた。現在29歳の大湊弘(おおみなと・ひろし)さんは、少年のような明るい笑顔が印象的で、初対面のときの柔らかい挨拶が人柄を表していました。
「修理を待つめがねは1日400個ほど送られてくるのですが、私はその内のプラスチックフレームのめがね修理をメインにしていています。また、それ以外に関西方面への営業担当者として、店舗訪問での修理研修や展示会を通して色々なめがね屋さんにPRする機会を作っています。」
筆者も、取材をするまで仕事の流れがよくわかっていなかったのですが、めがね修理は小売店ではできないことが多いため、お客様が小売店に持ち込まれたものを鈴木眼鏡工業さんのような修理専門の会社に送る流れになるのだとか。そしてめがねの聖地鯖江にも、修理を専門で扱う会社は数社しかありません。
「例えば、中心で真っ二つに割れてしまったようなフレームの修理もしています。プラスチックフレームの場合、金具が埋め込まれていることが多いのですが、その部分の欠損を修理することが多いです。」
めがね修理と営業を両立。どちらもはじめての業務に挑戦の日々。
「めがね小売店に入ったときは、めがねの仕事がしたいという気持ちはありませんでした。友達に誘われて面接に行ったらたまたま内定をいただけたので、入社したんです。」
前職でめがねの仕事を続ける中、24歳のときにようやく自主的にめがねの修理を仕事にしたいという意欲が出てきたそうです。ものづくりの経験は無いのに現職に飛び込めたのは、めがねの接客は他のアパレルと違い、最後にスタッフがレンズを作成して引き渡すところに、ものづくりの要素があったからだと話します。
「ものづくりは経験したことがありませんでしたが、今は修理と営業の仕事をどちらもしているので、バランスが取れています。徐々に修理も上手くなってきたので、今後はメタルフレームの溶接にも挑戦したいと思っています。光を熱に変換してレーザーを射出し、フレームに対するダメージを最小限に抑えながらものすごく綺麗に直せる機械があるんです。」
この11月にプラスチック班に移動された大湊さん。それまでは塗装班におられたそうです。現在色々な部署を経験しながら、幅広い修理の経験を積んでおられるところです。
お話を伺いながら、執行役員の井口さんと大湊さんに社内を案内していただきました。驚いたのが、皆さんの元気な挨拶。どの部署の方も優しく受け入れて下さいました。
「弊社の方針で、“現場のスタッフも全員営業である”というのがあるんです。私は基本関西担当の営業ですが、お客様が来られた際は全員が営業マンです。誰が対応をするという決まりがなくて、全員が対応できるようになっています。」
お客様というのはめがねの小売店の方がほとんど。自分たちが送っためがねが、どのような環境と工程で修理が行われているのかを見学に来られるのだとか。
仕事とプライベートはどちらも大切。両方あきらめなくて良い環境。
バリバリと仕事に向き合う大湊さんですが、プライベートではパパの一面も。
「2歳の子どもがいるので、休日は一緒に近所の公園で遊んだり、海に行ったりしています。うちは父親が忙しい家庭だったので、なるべく子どもと接する時間を作っていきたいと考えています。地域のつながりが強いので、子育てするには良い環境だなと思いますね。」
海まで約1時間で行けるので、子どもと自然の中でいろいろな遊びを楽しめるのが、大阪暮らしでは出来ないことだと大湊さんは話します。
「最近家も建てました。私は一人っ子なので、将来的に親をこちらに呼ぶことも考えているんです。あと地域との関わりもあって自警団にも入りました。福井には大阪とは違うことも多いですが、新しいことと昔ながらのこと、どちらも見極めながら暮らしていきたいと思っています。」
社員の半数は未経験で入社。教え合う文化が根付く、心強い社風。
最後に、どんな方と働いてみたいかを聞いてみました。
「積極的に聞きに来てくれる方だと嬉しいです。弊社の方針で共育(きょういく)というのがあります。教える方も教えられる方も、スキルアップとやりがいにつながるので、前向きに来てほしいですね。
印象に残っている出来事として、展示会に出展してブースで仕事をしていたら、お客様が走って来て“この前はありがとう”とお礼を伝えていただいたことがありました。ユーザーは小売店に、小売店は私たちに感謝を伝えるんです。めがねの修理は特殊な仕事で、全然メジャー感はありません。それでも、思い入れが込められたものを修理して人の思いに応える、人の役に立てる仕事だと思っています。気持ちに答えられる仕事で、一緒に働ければと思います。」
縁の下の力持ちで表には見えにくい仕事ですが、この魅力、伝わったでしょうか。いきいきと働いておられるスタッフの方も印象的で、会社全体の活力を感じました。
若いスタッフも多く、元気いっぱいな鈴木眼鏡工業で、あなたも働いてみませんか?
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