手賀精工株式会社 | 技術力と創造力を生み出す環境。おもしろがりを大切にするものづくり。
1956年、小さな町工場としてスタートした手賀精工は、めがねの蝶番や小ねじから始まり、今や医療用内視鏡部品や電子機器の内部部品など、精密加工部品の製造は進化を続けています。長年の努力と革新が積み重なり、今日では多くの業界で信頼される存在になりました。
手賀精工の特徴は、異形線・無人化・工程短縮によるコストダウン。
「全然大したことはしていませんよ。」と謙遜する2代目手賀社長でしたが、お客様第一の精神による手賀精工の技術力と創造力、そして経営戦略は非常にユニークなものでした。
安価に応える秘策は、標準規格化という独自スタイル。
手賀社長:「丁番の製造では鯖江市内でかなり後発でした。新参者として、どのように競争していくかと考えた末、部品の標準規格化というスタイルで大量生産の眼鏡フレーム用の製造に舵を切りました。部品が少しでも安価になれば、メーカーさんもお客さんもうれしいでしょう。はじめは、特注品として作っていても数が増えれば、順次、標準規格化していきます。弊社は30年以上前からこのスタイルでお客さんから支持を頂いています。」
標準規格化とは、製品に合わせて部品の形を考えるのではなく、既存の製品の中からお客様に選んでもらうということ。少々形が合わないというデメリットもありますが、標準規格化することで、安価で提供できるだけでなく、社内で在庫をストックすることが可能になり即出荷、単品からの注文にも応えられるメリットがあります。
手賀社長:「鯖江市内でも、こんなに標準規格化している会社は他にないと思います。」
そういって、見せていただいたのは標準規格表。
10種類から4種類から選んでもらう…みたいなイメージでしたが、それはとんでもない勘違いでした。
標準規格表は、タウンページくらいの厚さがあり、非常にびっくり。
1000種類の中からニーズに合った規格を選んでもらうイメージで、とにかく種類が豊富です。
お客様にとっては、まるで商社のような存在なんだと感じました。
上下関係を感じさせない環境だから、大先輩たちから学び、仕事に没頭できる。
「僕じゃなくて、頑張っている社員がたくさんいるから是非取材してあげほしい!(笑)」
と言われ手賀社長に工場に案内していただきました。
手賀工業では市販のマシニングセンター(自動旋盤)に自動で加工できる機械を改造して取り付けることで、自動化し、夜中も製造できるようにしています。
機械開発部門で機械の保全や修理や開発をしている5年目の横谷さんも、鯖江市に派遣で訪れたことがきっかけで奈良県からの移住を決めたと言います。
横谷さん:「面接の時に、パーツフィーダーの開発に関わってみないかと言われたことから、入社を決意しました。簡単に言うと、パーツフィーダーとは機械の振動により、部品を同一の方向・姿勢に整列させる装置です。手作業で部品を整列するときに比べて、作業の速度と正確性が飛躍的に上がります。半年間の試行錯誤の末、部品が滑らかに流れたときにはこれまでの努力が実り、この仕事へのやりがいを強く感じました。」
見せていただいたパーツフィーダーは全て自社で制作しており、企業秘密と横山さんのアイデアがたくさん詰まっていました。(企業秘密のため写真NG)
工場の他の機械も自社で開発しているのが多く、「どのような機械がほしいか」「不具合が起きやすい作業はなにか」について製造部から意見をもらって、開発部で機械の構想、設計、製作をしているそうです。
横谷さんは、前職では人間関係も悩むことがあったと言いますが、今はアイデアを気軽に話せる環境が楽しいと言います。
YouTuberのなつばやしさんのチャンネルはこちら
「世界に一つだけのアコギ用チタンブリッジピンができちゃった(手賀精工&なつばやし共同開発)」
軽量化のために開けた穴、そして煌びやかな色合いが非常に眩しい…。
ふとしたアイデアを面白がってくれて、一緒に考え、背中を押してくれる先輩の存在はとても大きいというのが伝わってきます。
手賀精工で買えばいい」という信用は品質である
出荷前に部品の品質を見極める品質保証部の大ベテランの田中さんに仕事内容をお聞きしました。
田中さん:「ここでは、部品の寸法とキズなどの見た目を最後に人の目で検査しています。彼女たちは、1/1000の確率の不良品を瞬時に見つけ出すプロです。不良品の方から手に引っ付いてくるの?と思うほどの速さですよ。」
不良品があればマイクロスコープで撮影し蓄積することで、発生する原因や作業工程を追求するのに役立てているそう。
田中さん:「『不良品をお客様に出さない』 『不適合を現場にフィードバックし、不良品が出ない工夫を考える』これが私たちの仕事。これが、手賀精工で買えば間違いないという信頼になります。」
世の中に無ければつくるのがモットー。小さなネジで世界を動かす。
手賀精工で製造されている部品はどれも極小ですが、その小さな部品一つ一つが、大きな機械やシステムを支え、世界を動かしています。彼らの技術と創造性は、町工場の壁を越え、世界の多くの業界で信頼されています。
手賀精工のホームページには、今回の取材では取り上げられなかった社員の方々の魅力的なインタビューも掲載しているので、興味のある方は是非そちらも読んでみてはいかがでしょうか。
あなたも、技術力と創造性を磨き、小さなネジで大きな変化を起こす手賀精工で働いてみませんか?
▼連絡先
手賀精工株式会社 詳細はこちら
TEL::0778-51-4350
Mail:info@tegaseiko.co.jp