【TSUGI-vol:4/5】チームの気持ち良さが勢いをつくる。スタッフが感じる会社の魅力。
創業して6年。快進撃を続けるTSUGIのスタッフ数は徐々に増加し、現在11名となりました。
今回の記事では、スタッフの方がどのような思いやスタイルでお仕事をされているのかを聞くことで、多面的にTSUGIを理解できるような視点をお届けします。
RENEWをきっかけに福井へ。関わる会社の魅力を最大化することが仕事の醍醐味。
東京都調布市のご出身で現在は鯖江市にお住まいの、入社3年目となる室谷かおりさん(むろちゃん)。TSUGIで働く理由と魅力について、お聞きました。
ーー入社のきっかけを教えてください。
前職はWeb制作会社のデザイナーで、会社内に「しゃかいか!」という社会科見学や工場見学を通じて日本のものづくり現場を紹介するWebメディアを運営する部署があったんです。その部署の人たちと仲良くなって「いま福井がめちゃくちゃ面白くて、RENEWっていうお祭りがあるから一緒に行こう」と言う流れで初めて福井に来てTSUGIを知りました。
そこからは毎年参加者としてRENEWに来ていて、2018年に福井市が実施する「XSCHOOL」という取り組みが始まりました。しゃかいか!の編集長と一緒に毎月通うようになって、知り合いもすごく増えて福井との距離がとても近くなったんです。
一方通常業務では、社内でずっとデザインをつくり続ける日々で、もう少しお客さんの顔が見える仕事がしたいということと、いちばん最初の段階から携わって最後まで責任を持って仕事をしたいと思い会社を辞めようと思っていました。
次、もし機会があればTSUGIで仕事がしてみたいなと感じ。知り合いだった新山さんと寺田さんに声をかけました。「じゃあまずは試しに働きに来てる?」という感じで、2か月間だけ働いていて、相性が悪くなさそうだったので、そのまま入社したという流れです。
ーー相性が良かったのですね。前職の経験は活きていますか?
めちゃめちゃ活きていて、TSUGIで唯一「グラフィックデザイナー/Webデザイナー」という肩書がついているんです。前職では3年間、Webサイト100本ノックみたいな感じで、Webサイトをたくさん作らせていただき、そのおかげでたくさんのノウハウを身につけることができました。また前職だけでなく、新卒で入った会社がグラフィックデザイン事務所だったことも活きていると思います。
環境が変わり、TSUGIのデザイナーは「デザイナー先生とお願いをする人」みたいな立場ではなくて、普通にみんながフラットな人間関係でお互いを必要としているからこそ発生する状況があって、そこにすごく感銘を受けているんです。人との距離が近くて、その近さが嫌な人もいると思うんですけど、自分は結構心地いいなと思っています。
ーー心地の良さを感じる場所って大事ですね。気に入っている会社の文化みたいなものはありますか?
スタッフの誕生日に小さい誕生日会をするんですけど、そのときにみんなでケーキを食べて写真を撮ったりするところが好きなんです。少人数の会社ということもあるんですが、すごくスタッフ同士の仲が良くて、それぞれを思いやる時間があるところが好きです。
他にも「ルールはみんなで決める」っていうところが面白いなと思っています。会社のルールに疑問があれば、こうしたいと言えばみんなで考えてくれる、そういう余地があるところが良いなと思います。
ーー素敵ですね。では、仕事の魅力についても教えてください。
お客さんに直接会って一番最初の段階から一緒にお仕事させていただいて、最後まで完結できるところです。お客さんの顔を見ながら一緒に仕事ができるところが一番自分にとっては魅力的です。
あとは、商品開発の仕事ではお客さんの技術力がすごく高くて、知らなかったけど生活を支えてきたすごい技術に出会えることはとても面白いですね。これをがんばったら自分の生活も豊かになるかもっていう、自分事としても仕事ができるんです。
こういう面白い技術があるんだとか、ここでしかできない技術なんだ!とか、工場見学をしてから仕事に入るっていうのが楽しいです。
ーーしゃかいか!時代の楽しみ方も実践しておられるのですね。
多くのお客さんは、自分の工場のことをあまり魅力的に思ってなくて、「撮影してもかっこよく写るか不安です」と言われることもあります。自分の頭の中でとても魅力的に感じているところを、デザインや流通で可視化し、お客様に喜んでいただけたときは、とても嬉しいです。
ーーお仕事の中で印象に残っているエピソードはありますか?
新山さんがおっしゃっていたことなのですが、お客さんの言う「デザインを良くしたい」は、鯖江ではつまり「デザインの力で売上を上げてね」ということだからねと。本当にその通りだなと思って印象に残っています。
デザインすることで売上が上がる状況を作るために、その商品のポジションから考え、誰にどう届けるかを考えることが、見た目をデザインすることと同じくらいに重要だなとすごく感じていて。これまでデザイントレンドの本でご飯何杯でもいけるくらいデザインが好きだったのですが、ポジショニングや販路にも興味が湧いて、自分の考え方がガラッと変わったのはすごい意外というか面白い経験でした。
ーーどんどん変化していっておられるのですね。お話ありがとうございました。
サラリーマン時代の経験を活かし、若い会社の土台を固める。
もう一人、福井県福井市のご出身で、TSUGIに転職されてちょうど2年になる安田昌平さん(やっさん)に、現在の仕事にかける思いをうかがいました。
ーー安田さんのお仕事内容について教えてください。
肩書的にはTOURISTORE(https://touristore.jp)とSAVA!STORE(https://savastore.jp)のマネージャーです。具体的にはCraft Invitation(https://craftinvitation.jp)、漆バイクの管理、SAVA!STOREの店舗運営とECサイトのメンテナンスとか、そういった対応ですね。発送・仕入販売業務、在庫管理など、オンラインでの注文対応です。あとは単なる商品の販売だけではなく、各企業とのコラボレーションやOEMの対応窓口なんかもやっています。
Craft Invitationというのは観光案内カウンターなのですが、その枠を大きく超えて、産地企業とつながりたい方のアテンドや、観光業務もしております。
ーーかなり幅広い業務に携わっておられるのですね。
そうなんです。デザイン以外の全てですね。
ーーTSUGIに転職されたきっかけを教えてください。
もともとものづくりが好きで、県外の大学卒業後は毎朝満員電車に乗るのは嫌だな…と思い、地元福井でものづくりをしている繊維メーカーに就職して、生産管理という仕事を18年ほどやっていました。
あるときパートナーとの間に子どもを授かりました。自分の心境の変化もあって、あんまりシャカリキになって働くのも違うと思い、半年間の育休を取って会社に復帰したら、「男性が育休とっちゃダメでしょう」みたいな空気を感じてしまったんです。このままこの会社に定年までいるとすると、給料としてはある意味約束されているけど、それって苦しいな…と思いました。
次の仕事のアテは無かったんですが、何とかなるだろうと思って「辞めます」と伝えました。その日の夜にSNSを眺めていると、たまたまTSUGIがショップマネージャーを募集していたんです。欲しいスキルや望むべくスキルみたいなのは、一つもかすってなかったんですが、一番上に書いてあった「僕らに共感できる人」という項目にはとても共感できたので、それだけで応募し、縁あって採用していただくことになりました。
ーー条件的にはアンマッチだったのですね。
ショップとしてきちんと収益化し、最終的にはオンラインを伸ばしていきたいという中で、やはりECの運営経験者、SEO対策に長けている、SNS運営が上手いとか、そういった人を求めていたと思うんですけど。まったく僕は持ち合わせていなかったですね。
採用までの過程は僕にはわかりませんが、まさか自分が採用されて働けるようになるなんて、すごいハッピーだなとは思います。
ーーTSUGIでお仕事をされてみて、これは良いなと思ったワークスタイルや文化はありますか?
新山さんの人柄もあるけれども、嫌な人がいない環境ってすごく良いなと思います。やっぱり大きい組織だとある意味で社会の縮図なんで、どうしても嫌な人に遭遇することもあるわけです。それがないっていうのは、働いていてすごく気持ちが良いですよね。もちろん働いていて辛いこともあるんですが、馴れ合いとかではないチームの気持ち良さって本当に大事だと思います。
今43歳なので良くも悪くもいろんな経験をしているですが、やっぱり人間って、頭ではわかっていても経験しないと本当には身に付かないというか、ピンチやヤバいときに乗り越えることで成長するんですよね。僕としてはそんな状況を意図的で楽しく乗り切れるように、みんなのムードメーカーになれたら良いなと常々意識しています。後ろがしっかりしているからこそ、皆さんこれまでどおりに走っていけるというか、フォーメーションがしっかり組めるので。
ーーご自身の役割をしっかりと認知されているのですね。
昨年のRENEWでのトークイベントで、TSUGIというクリエイティビティガンガンでイケイケな組織で、自分みたいな普通の会社員だったおじさんが「実は役に立てる」ということ話したらすごく共感してくださって。新山さんたちは荒れ地を切り拓いていくけれども、そこを舗装路なりにきちんと整えていく人も同じように大事だなということは意識していますね。
これから組織がだんだん大きくなってきて、事業自体もデザイン以外の部分が拡大し、これから入社される方も非デザイナーの可能性が高いです。そうなると、今までの社内の仕事のやり方では上手くいかないこともあるのでは?と思っています。予め混乱する前に、不安因子は取り除いておきたいなと思っています。
ーー仕事の中で印象に残っているエピードがあったら教えてください。
一つ僕がやり切れたなと思っていることがあるのですが、入社したときは商品がどこに何があるか、全然わからないっていう状態でした。取りあえずそこに手をつけ始めてきちんと整理整頓をしていきました。ECサイトって、突然追い風が吹くときがあって、その風に乗れるかどうかは準備が出来ているかどうかなんです。
だから一見、最初にTSUGIが求めていたスキルを僕は持ち合わせていなかったんですけど、「結果的に僕の経験が活きたな」というのがすごく印象的でした。
※次回に続きます。