福井県眼鏡協会 | めがね産地に全国のめがね好きが集結!めがねフェスが目指す産業観光とは


8月7日-8日に予定されていた「めがねフェス2021」
は、新型コロナウイルス感染拡大を鑑み中止となりました。
中止のお知らせ https://meganefes.com/topics/2021cancel

遠くからでも赤い眼鏡がきらりと光って見える、鯖江の目印であるめがね会館。その中に、一般社団法人福井県眼鏡協会はあります。

毎年初夏になるとめがね会館では、福井県眼鏡協会の主催で、全国のめがね好きが集う「めがねフェス」が開催されます。いまではめがね好きの間では毎年の恒例行事となっているめがねフェス。

2020年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となりましたが、2021年は現地とオンラインの同時開催。試行錯誤を繰り返しながら進化していくめがねフェスの、誕生からこれまで。そして、今後の展望についてのお話を伺いました。

 

地元密着のお祭りからめがねのファンづくりフェスへ進化。

今回お話をお伺いしたのは、福井眼鏡協会の事務局長、島村泰隆(しまむら・やすたか)さん。

2021年で8回目の開催となるめがねフェスですが、そもそもどのようにしてめがねフェスは始まったのでしょうか?

「鯖江のめがね産地は、めがねを製造するメーカーの集まりでして、企業は、お客様である眼鏡小売店のバイヤーに対して商品を提供するBtoBの商売をしてきました。

近年は、めがねのファッション性が高まり、トレンドに合わせたフレームのデザイン選ぶことが多くなってきています。そのような時代の流れから、バイヤーだけではなく一般の消費者とよばれる個人のお客様へ向けても、産地として発信していくべきではと考え『めがねのファンづくりイベント』としてめがねフェスを始めました。」

それまでは、鯖江商工会議所が主催していた「めがねまつり」というイベントでのステージにてPRをしていた。飲食の屋台や歌のステージがある、地元密着のお祭りだったそうです。2014年に福井市にあるデザイン事務所のGOOD MORNINGさんと組み、「めがねまつり」のイベント名を「めがねフェス」に改名し、福井県眼鏡協会が主催となりイベント企画を進めていったそうです。

「めがねのファッション性を活かして、おしゃれでクリエイティブな企画に整えていき、みんなが楽しめるめがねづくしのイベントを、一般消費者である個人のお客様に向けにやっていこうと、色々な方と相談をしながら作っていきました。」

めがねフェスとしての第1回開催は、飲食ブースやステージなどの構成自体は、めがねまつりからほぼ変えませんでしたが、どこにでもあるようなお祭りではなく「めがねを好きになってもらおう」という思いのもと、めがねのファンづくりのためのイベントとして強く打ち出したそうです。

「たとえば、出店している飲食ブースにはめがねにちなんだ食べ物を開発して販売してもらったり、物販もただモノを売るのではなくて、めがねにちなんだものにするなど、できることから工夫していきました。」

どこを見てもめがねが目にはいるような統一性を持たせて「めがねって楽しいよね!」という雰囲気を散りばめることでめがねが好きな方へ向けて強いメッセージを送り、デザインの力で雰囲気を大きく変えました。

 

主役はあなた!全国から続々と集まってきためがねファン。

「日本人の6割近くがお世話になっていると言われているめがねですが、実はこれまでめがねに特化したイベントはどこにも無かったんです。だからめがねフェスは、めがねファンの方に強く刺さったのかなと思っています。」

「そういえば、今までめがね好きを公言する場所って無かったなと、めがねフェスを開催して気が付きました。みんなめがねが好きだけど言う場所がなくて、表現できずにいたのかなと。

めがねフェスに来たら同じ趣味を持ったみんなで楽しめるので、ここぞとばかりにオーダー品の自慢のめがねを掛けて来場してくださった方が嬉しそうにこだわりを語ってくださったり。めがね柄のシャツや靴下を身に着けて、めがねコーデで来てくださる方も多く、ファッションで自分を表現できる場所にもなっています。」

ほぼSNSだけで広報されているそうですが、2019年の来場者数は2日間で17,600人。

めがね好きの心を掴み、マンガやアニメ好きが集まるコミックマーケットのように、「めがね」という共通のテーマで全国の熱いファンが集まっています。

唯一のめがね産地で開催するオープンファクトリーとは。

今年でめがねフェスは8回目の開催。webサイトにはめがねをあしらったイラストが散りばめられています。

めがねフェスのwebサイトはこちら! ▶ https://meganefes.com/

「8回の開催を経て、イベントのコンテンツ自体は充実してきたかなと思っています。今年からは、開催日である8月7-8日の前後で、オープンファクトリーを企画しています。」

めがねはレンズを入れて完成するので、フレームだけで売ることが難しい商材です。工場で販売・購入をすることが難しく、今流行りのオープンファクトリーの開催といっても、様々な工夫が必要なんだとか。

「実は、めがねの工場は見学が難しくて...。

めがねの産地は福井県にしかないので、みんながある意味ライバルのような関係です。

めがねを製造するのためのプレス機などのめがね専用加工機が販売されておらず、各社が眼鏡製造用に改良しながら作ったオリジナルの機械を使っています。詳しい人が見ると、技術がすぐに盗まれてしまうこともあるんです。

また、産地はOEM(※)での受注が多いので、各社コンプライアンスが厳しく、どこのブランドをどこの会社で作っているのかという情報を漏らしてはなりません。大きい工場ですと様々なブランドのものが製造ラインに混ざっているので、ここだけは見学OKと切り分けるのも難しいのです。」

OEM(Original Equipment Manufacturing)。製造メーカーが他社ブランドの製品を製造すること。

「ですので、今年はBtoBのオープンファクトリーをメインに据えて、小売店のお客様をメイン対象に、産地へ来て工場を見ていただきたいと考えています。

めがねがどれだけ丁寧に作られているかを肌で感じてもらい、その後商談をしていただくという流れを作っていこうと、めがね大学 (https://megane.university/)という企画の準備を進めています。

産地では各社が小売店のバイヤーさんと商談をしているのですが、来年か再来年には、市内にあるどこかの会場をお借りして、めがね産地での展示会というものを定着させていき、企画しているオープンファクトリーはツーリズムとして位置付けたいと考えています。」

近年、各地のものづくり産地がオープンファクトリーを始め、一般的になってきました。めがねフェスのお客様からも、製造工程を見てみたいという声もありますが、なかなか簡単には出来ないというのが現状のようです。

普段からお付き合いのある小売店の方なら安心して呼べる。今年はまずは自分たちで声をかけたお客様を産地に来ていただくという形にしようと進めておられます。

 

島村さんの地元でもあるめがね産地。

入社直後からめがねフェスを担当してこられた島村さん。ずっとめがね産地の展示会について考えてこられたそうです。

「私は6年前に、東京からUターンで鯖江に戻ってきました。

東京のデザイン事務所で働いた後、医療機器メーカーでインハウスデザイナーをしていまして、ものづくりが好きだったこともあり、地元に帰ったらめがね業界で働きたいと思っていました。

鯖江に戻ってきて、いくつかめがねの会社の面接受けました。OEMが中心の産地なので、デザイナーなら図面を書いてほしいという条件が多く、企画力を活かし提案型の仕事がしたいと思っていた自分には合わないなと考えていたところに、福井県眼鏡協会が一般募集をしていたんです。

めがね眼鏡の展示会といえば、毎秋に東京ビックサイトで開催されるIOFT国際メガネ展ですが、鯖江は日本で唯一のめがね産地なのに、なぜ産地で展示会をしていないのかを不思議に思っていました。採用試験で産地の展示会を企画していきたいと熱意を伝えた結果、採用していただくことができました。」

6年前から温めておられた産地内展示会企画。いよいよ形になりつつあるようです。

「今は、コロナが落ち着かず鯖江にお客様を呼びづらいですし、お客様も来づらいという部分もあると思います。まずは小さく初めて、動画等で情報を発信して来年につなげていこうと企画しています。

県内でのめがね展示会が定着してくれば、県外からも多くの人が訪れ宿泊施設や飲食店を利用して頂けます。県内の経済も活発になると良いと考えております。」

 

現地で開催!2021年のめがねフェスは…

2020年はオンライン開催となっためがねフェスでしたが2021年は現地での開催を準備中。めがね供養からスタートし、ステージはもちろん、グルメグランプリ、グッズ販売も行われます。

やはりコロナの影響が大きく、緊急事態宣言や鯖江市のワクチン大規模接種と会場日程が重なり開催日が変更となったり。イベント開催当日の感染拡大状況によっては、飲食ブースの営業がどうなるのかという不安もありますが、様々な対策を練って現地開催の準備をされています。

「例年賑わっているめがねミュージアム1階のショップや展示部分は閉鎖となります。

例年、野外にPOP-UPギャラリーを設けますが、めがねミュージアムにある眼鏡も野外でPR展示を初めて行う予定しています。8月なので暑いかもしれませんが...笑」

島村さんは、様々なイベントの中でも、 「めがねよありがとう作文」に毎回感動してしまうのだとか。今年もめがねよありがとう作文には多数の応募作品が集まり、当日には受賞作品の発表も行われます。

「子どもからおじいちゃんまで幅広い年齢の方からご応募いただき、めがねの数だけドラマがある事に感動します。

めがねが人生に寄り添っている内容のもの、めがねに救われたという話や、人生を変えてくれた話などが書いてあり、実行委員会のメンバーは選定しながらうるうる涙目になってしまうんです。

短編映画や本にしようかという話があるくらい、素晴らしい作文が届きます。」

「 それから、めがね供養も良いんですよ...!

全国からめがねが送られてくるのですが、旦那様がかけていた形見のめがねを捨てられないから供養してくれるとありがたいと、お手紙を付けて送ってきてくださったり.....。」

「めがねフェスを開催し始めた頃は、BtoC向けのイベントのため興味を持って頂けない業界の方がほとんどでした。今では、来場者数やメディアなどでも取り上げて頂く事もあり、業界内でも認めてもらえるようになってきていると思っています。

これまでめがねの情報は販売店からしか聞けなかったのですが、めがねフェスに来たら、作り手から直接情報を聞くことができる。

レンズメーカーにも出店してもらったり、キクチ眼鏡専門学校というめがねの専門学校の方に来てもらって講義をしてもらったり。文化的な学びの要素も少しずつ足していくことで、ここに来たら眼鏡のいろんなことを知ることができるようになっています。

さらにこれからは産地での商談をスタートさせることで、めがね業界全体(製造・販売)での活性化やめがねフェス作りをしていきたいと思っています。」

毎年、めがねフェス最終日に「来年はいつやるのか」と聞きにくる出店者もいるのだとか。

めがね会館がある鯖江市新横江町の皆さんも年に一度のお祭りのひとつとして、焼き鳥を焼きまくるなど、町内の方や地元住民も楽しめる包容力のあるイベント。

「出店者の皆さんからは、出て良かったと思っていただけて、期待されていることが伝わってきている。裏切らないように頑張りたい」と意気込んでいる島村さん。

眼鏡協会としても福井県の産業観光の1つとして、受け入れができる土壌を作り上げていきたいところ。素直に大きくなっていけるように、ファンの皆さんと一緒にイベントを育てていけたら、と話します。

国内唯一のめがね産地で行われるめがねのフェスティバル。

めがねはかけることは慣れると楽なのだけど、そこまでのハードルがある。

めがねをかける行為を楽しくするための秘策、気軽にかけられるめがねフェスめがねも用意されています。

めがねの産地がお届けする、どこまでもめがねづくしな「めがねフェス」にあなたも参戦してみてはいかがでしょうか。

 

【めがねフェス 2021】
新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、中止となりました。
開催日時:8月7日(土)、8日(日)10:00~16:00
開催場所:めがねミュージアム / 鯖江市文化センター前駐車場特設会場
https://meganefes.com/

【めがね大学】
https://megane.university/

 

【連絡先】
一般社団法人 福井県眼鏡協会(webページはこちらから)
0778-52-9111(9:00~17:00)
info@megane.gr.jp

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