冨士経編 | 中小企業だから作れる安心とこだわりの社内環境。日本のウェアを最先端に進化させ続けていく仕事。

未経験者ならなおさら、長く働ける仕事を見つけたいけれど、でも繊維の仕事は技術が必要そうだし、今からでも間に合うのかな…というイメージはありませんか?

冨士経編株式会社は、経編(たてあみ)と呼ばれる技術で、メディカルウェアやリラックスウェアなどに使用する最先端素材を作る、ニットの総合メーカーです。

※経編とは…編物は緯編(ヨコアミ)と経編(タテアミ)に分類されます。一般的に織物に比べて伸縮性があり、柔らかい生地を得ることができます。経編とは、ループをタテ方向に連続して編み上げていく生地のことを言います。ランジェリー、カーシート、などに多く使われています。

平均年齢38歳、100%正社員の43名のスタッフ(※そのうち2名がご家庭の事情で時間制の契約社員)が、中小企業という大きさを活かしながら、いきいきと働いておられます。

取材をさせていただいたお二人の言葉の端々からは、社員の皆さんを本当に大切にされていることが伝わってきました。

コロナ禍の大変な時期を一丸となって乗りきれた理由は?
なぜこんなに満足して仕事ができるのか?

冨士経編がどのような会社なのか、ぜひ知ってください。

 

拡大が大切なんじゃない。技術と人が凝縮された会社を目指して。

お話を伺ったのは代表の平木弘史(ひらき・ひろし)さん。7年前に会社を移転して建てられた社屋でのインタビューでした。

平木「うちの経営理念は『日本の中で生産するにあたり、凝ったものづくりをするために規模はあまり拡大せず、中身がギュッと詰まった会社であろう』ということです。」

越前市出身で今は坂井市にお住まいの平木社長。もともとは染色の会社にお勤めされていて、スポーツウェアやカーシートの商品開発に携わってこられました。第2次オイルショック時の採用ということもあり、繊維業界全体も大変な時で、開発部門が後回しになる傾向があったそう。悩んだ末離職した際、当時、仕事の業務で関係のあった冨士経編の開発担当者の方に「うちに来ないか?」と声をかけていただいたのだとか。

平木「当時伸びていた冨士経編は開発担当者が不足していたのだと思います。社長と面談をしたときの一番の決め文句が「好きなだけ開発をやらせてやる。」でした(笑)」

6人の発起人で創業をされたという冨士経編。その方々が交代で社長をされていた中、外部から途中で入社したスタッフが社長になったのは初めてのことでした。

平木「経営理念を実現するにあたり、心理的安全性が高い社内環境づくりを大切にしています。弊社では毎月、世間話をすることを目的に全社員と個人面談をしていました。皆が何を考えているか、悩みなども聞き、自分が進んでいく道を考えてもらうんです。昨年からはコロナ禍で面談は見合わせていますが、1on1で毎月やっていると徐々にお互いのことがわかってくるので、新人でも風通しの良い人間関係と社内環境が作られてきたと感じています。」 

代表になって11年目。経営は初めてだけど、開発部門にいて先を考え、物事を幅広く見るという経験が役にたったと話す平木さん。その広い視野が、こだわりと好奇心を持ったものづくりに集約されていきます。

1on1は40人くらいの規模の会社だからできることで、大企業ではこれができません。時間はかかりますが、自発的に動けるスタッフが増えてきたのが嬉しいですね。

 

衣料資材分野に舵を切ることで得た独自性と抜群の着心地。

平木「うちのお客様はメディカル方面が主。全国の6割強のメディカルウェアのシェアを持っているアパレル企業や繊維メ-カ-最大手の会社とは、日本にニットの看護衣が無かった約50年前からのお付き合いです。最先端のうちの素材を使ってハイグレードな製品にしていただき、『リネンサプライ』という仕組みで販売をしてもらっています。」

※リネンサプライ事業者が製品の在庫を持ち、契約先に対して貸し出しをすること。契約者は製品を購入する必要が無く、事業者が使用済みの製品を定期的に回収・洗濯仕上げをして納品する。このサイクルを繰り返すとともに、補修や補充も行うことをいう。

今着ておられる会社のユニフォームとマスクも、全て自社素材の製品でコーディネートされています。ハードに働く環境に特化した素材であるため、着心地は抜群なのだとか。

高い技術を持っている冨士経編ですが、なぜファッション業界ではなくメディカル業界へ向かったのでしょうか。

平木「基本的にファッションはリピートが来ません。リネンサプライは『衣料』ではなく『衣料資材』という分野なので、リピートが多く息の長い業界です。北陸の繊維会社が得意とする『産業資材』と『衣料』の間に『衣料資材』分野があるということを発見し、企画や販売ではなく品質を高めていくことにリソースを注げるため、ここに注力することにしました。

ファッションはお洒落。リネンサプライのウェアは耐久性が一番大切。無茶な洗濯に耐えられて短時間で大量に洗えるように、どんな生地だと傷まないのか、どんな色だと落ちやすいのか、どんな縫い目だと丈夫なのかなど、試行錯誤を重ねていきました。」

リース業界の発展とともに改善を重ね、より機能的でファッショナブルに。当時はポリエステル100%の伸びない編物でしたが、大量の不良を出しながらもチャレンジし、着心地を追求していきました。今ではドイツ製の最新経編機械を20台保有し、高付加価値で、世界でもトップクラスの商品を作っておられます。

 

営業職として全国を飛び回る。メーカーだけど自由度の高い仕事。

次に、製品事業部部長の揚原健一郎(あげはら・けんいちろう)さんにお話を伺いました。東京都出身の揚原さん。実はお父様が冨士経編創業者の一人であることから、28歳のときに役員に誘われ、鯖江に移住して冨士経編に入社されました。

揚原「冨士経編には経編事業部と製品事業部があり、私は製品事業部の営業担当として全国を飛び回っています。前職は、当時人気のあった旅行会社に東京で就職をし、5年ほど営業をした後に鯖江に来ました。」

2つの都道府県を除いて全て訪問し、あと少しで全県制覇だと話す揚原さん。そのくらい、日本全国にお客様がいるということに驚きました。

揚原「製品事業部では、ホテル向けパジャマや作務衣、温浴施設向けウエアを主に生産しており、多くの方が知っている高級ホテルチェーンにも採用されています。生地づくり~デザイン~縫製~最終製品まで一貫生産対応している企業は、北陸産地は勿論、日本国内においても数少ないのではないでしょうか。

この仕事をやっていて思うのは、実際に着用されるのはホテルや温浴施設のお客様ですが、洗濯して下さるリネンサプライヤーのことも考え、洗濯工場の方がいかに扱いやすいかを商品づくりのポイントにしています。洗濯時間の短縮や洗濯耐久性など、洗濯工場へ足を運び、汗をかきながら工場の方々と意見交換をしながらものづくりをしていくことが普通のものづくりと違うところです。」

自社の素材だけでなく、いろいろな生地も使えるため、生地のパターンや組み立て、色、スタイルのコーディネートなど、メーカーでありながらも総合的なプロデュース要素が求められるところにやりがいを感じておられる揚原さん。いきいきと働いている、そんな揚原さんの毎日が想像できます。

揚原「うちはCMも放映しませんし、外から見ているだけだと、こんな仕事をやっている会社だと鯖江の人も知らないと思います。そんな中でとてもこだわったものづくりをしているところに、面白さがありますね。」

 

縮小する繊維業界の中で、大きな課題に向けた新たなチャレンジを。

平木「繊維業界は、コロナが収まればこのグローバル市場の中で、さらに海外シフトが進むと予想されます。そこで鯖江が進む道は、絶対に他では出来ないような高付加価値商品づくりです。国内のベースが縮小していくので海外シフトを進めざるを得ませんが、きちんと自社で管理をして、できたものを売るのではなく、欲しいものをつくるという観点です。商社的な動きではなく、ものづくりの企業として、国内をマザー工場としてやっていくことが大切です。」

揚原「現状、年間40~45万着ほど生産していますが、当社においても海外生産比率が高まっているのは事実です。そんな時代の中で、高付加価値商品を作り出していければ、どこにも負けない体質を作れると信じています。」

新しいことにもどんどん取り組んでいこうと、産学官連携や地元企業の協力をいただきながら、mille vies(ミルヴィー)という「シニア向けのルームウェア」にも取り組んでおられます。
▶mille viesのwebサイトはこちら

揚原「これは3年後を見据え、在宅シニアの増加による在宅介護のライフスタイルに対応できるウェアということで開発を進めています。」

平木「うちはBtoBで業務用のユニフォームをやってきましたが、今後はオンラインも生かして、BtoCを狙っていきます。ニーズの多様化についても勉強しながら、商流は変わりますが、新しいビジネスを生み出していこうと考えています。若者がこれから直面する課題に向けたブランドなので、社内の若いスタッフにもたくさん参加をしてもらっています。」

平木「社名の由来は繊維の世界で日本の頂点(富士山)を目指そうということ。冨士経編の『冨』が『わかんむり』なのは、日本一になったら『点』を付けようという話だと聞いています。」

インタビュー当初は怖そうな方だな…と思っていた平木社長ですが、話を伺ううちに優しさが滲み出してきて、ともに働くスタッフ一人ひとりが「労働力」ではなく「チームの一員」として、向き合っておられることが伝わってきました。

現在は揚原さんと同じ「営業職」を募集されている冨士経編。

風通しの良い職場環境が実現されており、社員研修も充実しています。所定外労働月間平均1時間や、育休と職場復帰率が100%と、きちんと成果を上げながらも働き方改革が行われているのが特徴的でした。

規模は大きくしないけれど、中小企業だからこそできる日本一の形を目指して。

冨士経編で、あなたも一緒に働いてみませんか?

 

【連絡先】

冨士経編株式会社(webページはこちら)
TEL:0778-51-1310
MAIL:box@fujitateami.co.jp

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です