髙島リボン | トラブルを含めてものづくりを楽しむ。次世代への使命感を持って追求するリボン製造の仕事。

「どんな会社に入っても、どんな仕事でも、色々な問題がおこります。それを受け入れたうえで、作る。

問題に対して、前向きに取り組むことで良いものが作れる。その積み重ねだと思っています。同じものを生産していても、そのときの原料の状態が違ったり、機械の調子で生地にスジができてしまったり、染色でも気候や湿度温度で色が変わってしまう。それをダメと思わないで、前向きに対応するんです。」

ああ、この方は真摯にものづくりに向き合い、たくさんの不可能を可能にしてきたんだな…。こだわりを持ってものづくりを語るその姿に、話を聞いているこちらまで、嬉しくなってきます。

実は私たちの暮らしの色々なところで活躍する細幅織物である「リボン」。女性用の衣服やギフト用のラッピング包材としての利用が馴染み深いと思います。

男性には馴染みが薄いと思いきや、あなたが着ているその服など、至るところに使われていて、私たちの暮らしを支えています。

実はリボンの国内生産量95%が福井県。リボンはヨーロッパが起源で発展した文化なので、世界シェアで見ると鯖江のめがねほどは高くありませんが、それでも相当なもの。私たちが出会う多くのリボンが福井県産なんです。

そしてそこには、リボンを必要とするお客様のために“作る責任”という意識を持った、職人たちがいます。
日本のリボン業界を牽引する、ハイレベルな製造に挑む鯖江の会社を紹介します。

 

 

実は様々な場所に使われているリボン。自社一貫生産の強みを活かし、高品質な製品を作る。

髙島リボンは、大きな繊維工場がたくさん集まる鯖江市の神中町に本社があります。

創業は1932年で社員数は53名。リボン製造の会社というと、なかなか一般に名前が知れ渡ることはありませんが、世界が認める最高級の品質とデザインを兼ね備えた実力のある会社です。

今回お話を伺うのは髙島祥彰(たかしま・よしあき)専務と、スタッフの小田哲也(おだ・てつや)さん。若いお二人ですが、しっかりとした仕事への考え方をお持ちです。

お会いした直後から、二人の息の合ったの関係性から、職場全体の雰囲気の良さが伝わってきました。

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髙島さん

「リボンというと、イメージが限定されてしまいますが、業界用語で言うと『細幅織物』と呼ばれる分野で、リボンやテープの企画、製造、販売を行っています。リボンやテープといっても色々あるんですが、うちのメイン商材は、洋服の副資材です。シャツの裏やボタンの裏、ジャケットのなどに使われています。リボンというとイメージと違うかもしれませんが、車用の産業資材などにも使われています。」

本当にいろいろな洋服に使用されているそうで、国内だけでなく海外輸出もたくさん。皆さんがよく知っているようなヨーロッパの有名ブランドや、大手配送会社のユニフォームなどにも取り入れられています。

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髙島さん

「高島リボンのオンリーワン商品は『レーヨンのパイル織物』になりまして、ベルベット、ベルベッティーンと呼ばれる素材になります。他にも色々な素材、色、形、風合いなどが違ったたくさんの規格品があり、様々なオーダーに対応できるような体制で製造をしています。」

本社工場の近くにあと2つの工場と、中国の広東省にも大きな工場を持ち、自社一貫生産をされている髙島リボン。*ニードル、*シャトル、織場、染色に工場内は分かれており、通常分業体制をとる事の多い繊維業界の中で、糸準備、製織、染色、乾燥、検品出荷と、糸を仕入れてからリボンが出来るまでの全ての工程を行っておられるところが特徴的です。

*ニードル…目的や用途に応じて不織布を生み出す工程
*シャトル…緯糸を通すための木の装置(シャトル)を使い織る工程

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髙島さん

「繊維は生活必需品であるため絶対に需要が無くならないものです。どんどんものづくりの定義が変わってきている中で、チャレンジできると思うし、ポテンシャルがありますね。職人の手仕事からスタートして、産業革命によって量産が可能になって、日本の繊維産業大きくなってきました。しかし今は、大量生産・大量消費を見直そうという動きがあり、必要なものを必要な分だけ作ろうという流れになってきており、弊社も取り組んでいます。」

機械がすぐに進化するわけではないので、システムを変えるしかない。単価設定が大量生産・大量消費時代のままであることから脱却し、付加価値を生んでいくことが、鯖江の繊維産業の課題の一つだと髙島さんは話します。

 

 

ものづくりはトラブルの連続。チーム一丸となって乗り越える喜びを感じられる職場環境。

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髙島さん

「私は、結婚をしてパートナーの家業であるこの会社を継ぐつもりで入社しました。もともとは広幅の洋服生地を扱う繊維商社に勤めていたんですが、がっつりものを作ることはありませんでした。一からものを作っていくという体験はメーカーならではで、モノづくりの良さや大変さを再確認しながら仕事が出来ていると思います。」

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小田さん

「私は鯖江市出身で、大学卒業後は富山県の織機メーカーで働いていました。2年ほど働いた後に、地元である鯖江に帰ろうと考え求人を探していて、採用していただきました。今は織機でリボンを作っています。弊社にはシャトル織機とニードル織機があり、私はニードル織機の部署で、リボンを織る工程の機械調整をしています。」

北陸は大きな繊維産地でありますが、他にもたくさんの種類の仕事があります。なぜ、家業が繊維関係でないお二人が、ファーストキャリアとして繊維の仕事を選ばれたのでしょうか。

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髙島さん

「もともと洋服が好きで、生地への強い興味がありました。さらに、ものづくりも好きだったので、自分でも関わってみたいというところから、繊維商社を選びました。」

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小田さん

「学校での専攻が電気・電子関係だったので機械を触る仕事がしたいと考えていました。最初の会社は、機械に触れて、実家からそこまで離れず、大きい会社だということで選びました。その後髙島リボンに来たのは、前職と同じ機械だったという事が大きいのですが、やはり機械を触るのは自分の性に合っているかなと思っています。中小企業の良いところは、自分の意見が通りやすいというところと、自由度が高いというところですね。」

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髙島さん

「繊維産業が盛んな福井県の中でもフューチャーされることは少ないんですが、福井県のリボンの全国シェアはなんと95%。全国的に有名なめがねフレームも96%と同じくらいなので、リボンも有名になってもおかしくないと思っています。今後、リボンを仕事にしたい!という方を増やしていきたいですね。」

圧倒的なシェアを持つ福井のリボン。昭和10年頃に、京都の着物帯を織る技術が進化して、今の産業に発展したそうです。福井でリボンを作る大きな会社は4~5件。限られた会社が持つその製造現場を見せていただきました。

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小田さん

「一言では表せないくらい色々な操作をしています。手で少しずつ機械を調整し、良い具合になったら量産する。めちゃくちゃコツがたくさんあって、初めての人には絶対できません。一つのリボンを作る中で、何回横糸を通すか、どの風合いでニードル加工をするかなど、規格通りに作りつつトラブルをどう乗りこなすかが重要です。」

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髙島さん

「ものづくりって、一回で上手くいくことがほとんどなくて、何を作っていても問題が起きるんです。小田くんはそこで挫けない鋼のメンタルとレジリエンスを持っていて、みんなに愛されています。

リボンは性質上、最終工程で、あれ…これだめだよね? と問題が発覚することが多い商材です。その際、色々な部署の人が集まって、一人ではなくチーム一丸取り組んで解決をしていくので、達成感がありますね。

 

 

製品もワークスタイルもサスティナブルに。次の時代へバトンを渡せる会社を目指して。

強い使命感を持って、SDGsやサスティナブルな取り組みをされている髙島リボン。取り入れると製造の難易度が上がりますが、それでも髙島さんは、絶対に必要なことだと話します。

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髙島さん

「認知が薄いんですが、実は繊維産業というのは世界で二番目の環境汚染産業なんです。弊社のアパレル事業が与える環境負担も当然大きいものでして…。そういった背景から、SDGsやサスティナブルな取り組みを、使命感を抱いて取り組んでいます。具体的には、*エコテックス認証を、全ての製品につけています。また、廃棄されたペットボトルをリサイクルして、100%リサイクルポリエステルのリボンも展開しています。」

*エコテックス認証…世界トップレベルの厳しい基準で衣料品や繊維製品の安心、安全を保証するもの

他にも、オーガニックコットン100%のリボンの開発や、福井大学との共同研究で製造過程で出る廃材を土に還すコンポストの開発にも取り組んでおられます。リボンメーカーとして、これまで以上に環境問題へ取り組まないといけないと感じていることについて、現社長のものづくりに対する姿勢が心に響いていると髙島さんは話します。

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髙島さん

「以前社長と話をしていて、ものづくりに対する思いを聞くことがありました。SDGsの目標12には「つくる責任 つかう責任」がありますが、持続可能な方法で商品をつくる責任についての話しです。髙島リボンは私で4代目ですが、創業者からのバトンを繋いでもらっているという重みや歴史を感じながら、さらに次世代に繋げていくにはどうすれば良いのかと考えると、やはり環境問題への取り組みが必要なんです。」

今後もどんどん働きやすい会社を目指すと意気込む高島さん。
小田さんは転職された当初、髙島リボンの働きやすさに驚かれたそうです。

 

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小田さん

「前職は毎日2時間は残業をしていたので、まず皆さんほぼ残業をしないことに驚きました。そういう意味では小さいお子さんのいる方でも働きやすいですし、仕事もプライベートも充実する会社の仕組みになっていると思います。プライベートな時間が確保できると一日を長く感じることができます。帰ったら寝るだけではなく、何をしようかなという心の余裕ができました。最近はサンドームの回りを走ったり、越前海岸でソロキャンプをしたりしています。」

サウナが好きなお二人は、一緒に近くのスーパー銭湯「越のゆ」で裸の付き合いを楽しむこともあるのだとか。他にもサンドーム福井の周りを走ったり、西山公園でレッサーパンダを眺めたり。プライベートな時間での鯖江の楽しみ方をたくさん教えていただきました。

髙島リボンの仕事は華やかなものづくりではありませんが、多くのシェアを持ち、お客様からの高い要求に答えていくプロフェッショナルな仕事です。探究心を持ち、小田さんのように日々の問題を楽しめるような方にとっては、その苦しみも喜びに変えてしまえるほどのやりがいが待っています。

定時退社で鯖江での暮らしもまとめて楽しめるため、生活を重視したい方にもおすすめです。

攻守揃った髙島リボンで働いてみたい方は、ぜひ下記に連絡をしてみてください。

 

【連絡先】
髙島リボン株式会社
Webページ
Instagram
TEL:0778-52-3800
MAIL:info@takashimaribbon.com

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