吉田産業 | 高い技術力で多様な製品を扱う。技術者として、挑戦の毎日を送ることができる仕事。

衣料資材・生活関連資材・産業資材など、繊維製造には幅広い分野があります。しかし、機械を動かす職人の育成や製品管理が煩雑になるため、この全ての分野に携わり経営をしている会社は全国的にも多くありません。

そんな中、鯖江市には中規模ながら、この3分野の全てに関わる製品づくりをする会社があります。鯖江市川去町にある吉田産業は、来年で設立60周年。*ラッセル編みに秀でた、ものづくりの会社です。

ラッセルとは、経編みの組織で、ラッセル編機で編まれる編地の総称である。名前の由来はフランスの女優ラシェル・フェリックスより。レースやチュール、フィッシュネットなど透けたものをつくる用途が多いが、厚地のものもできる。他の経編み地同様伸縮性がないため形態安定性に優れている。レースの王様とも称されるリバーレースの類似品を安価につくることもでき(ラッセルレースと呼ばれる)、現代の機械式レースはほとんどがラッセル編み機でつくられる。

取材をさせていただいたお二人の言葉の端々からは、自社技術への自信と、多様な製品を製造するための徹底した差別化意識を感じました。

吉田産業がどのような会社なのか、知っていただけると嬉しいです。

 

スピード感ときめ細やかな対応で、多くの企業の願いを叶える。

お話を伺ったのは、代表の吉田晃(よしだ・あきら)さんと課長の西川裕(にしかわ・ゆたか)さん。吉田社長は3代目で、大学卒業後東京の会社に勤めた後、経編機メーカーとして世界で90%以上のシェアを誇るドイツのKARL MAYER社やロンドンの伊藤忠商事の繊維部門でお勤めされた後、鯖江市に戻って来られて吉田産業に入社されました。

吉田
「弊社の歴史的には、インナーウェアやレッグウェアなど『衣料用レース』を用いた製品を作り、市場に提供してきました。網タイツなどが想像しやすいと思います。

他にも縫い目の無いシームレス製品(ノンソーイングニットとも呼ばれる)やスペーサーファブリック(3Dニット)なども提供させていただいています。秘密保持契約で言えないことがたくさんありますが、オリンピックの表彰式で着られていたウェアも作りました。シームレス製品とは、ダンスウェアやヨガウェアのトップスです。浅田真央選手や紀平梨花選手など、フィギュアスケート選手の練習着にも採用されているのですが、ピタッとした肌に張り付くような生地ですね。」

大手下着メーカーや、有名アパレルとも取り引きをしておられる吉田産業。レディ・ガガが着た製品もあったそうです。オリジナルブランドも過去には作っておられましたが、現在は基本的にOEMで製造をされています。

吉田
「現在は、産業資材の製造が6~7割を占めています。ファッション関係は新型コロナウイルスで大きな打撃を受けましたが、産業資材メインであったため、大きな影響が無く済みました。産業資材という言葉はわかりにくいと思いますが、馴染みのあるもので言うとカーシート、エアバッグ、防虫ネット、遮光シートなどがあげられます。吉田産業では排水処理に使用される紐状接触材を『ヨシダレース』という名前で45年前から製造しており、国内・海外問わず好評をいただいています。」

「うちのように多種多様にやっている会社というのは、日本全体を見渡してもほとんどありません。糸の種類が増えたり、編機ごとに使用する原材料や品質管理方法も変わるため、効率が悪くなるからです。しかし、多種多様にやっているからこそ、きめ細やかな対応ができるというメリットもあります。それを会社の特徴としてこれまで成長してきました。お客様からのご要望に対し、我々が出来ることならばやらせていただくというスタンスを貫いて来たんです。」

アメリカのある大きな会社が、吉田産業の経営スタイルを“駄菓子屋のように色々な商品があり味のある会社”だとして「キャンディファクトリー」と敬意を込めて呼ばれたそうです。吉田産業の対応力の高さは、取引先からも驚かれているようです。

吉田
「可能な限りのスピード感を持って、他社にはできない生産計画と技術で『超差別化』が徹底されているという状態を目指しています。弊社には英語が堪能なスタッフもいますし、海外から来て鯖江で結婚された国際的なスタッフもいます。今後はさらに国際色を豊かに、『超差別化』『オリジナル性』『グローバル』というのを吉田産業の強みとして、磨きをかけていこうと考えています。」

 

顧客の期待に答え、やればやるだけ還元される職場環境。

製造課と検品課の課長である西川さんは、社内の知り合いに紹介され、アルバイトとして働いた後、吉田産業に入社されました。従業員の方が吉田産業をどのように感じておられるのか、聞いてみました。

西川
「この会社には色々な機械があり、数多くの製品に携われるところが魅力だと感じています。同じ機械ばかりだと同じ製品をずっと製造することになるので、作り手としては技術や知識を得るチャンスが減ります。会社の方針から新しい機械をどんどん入れてくれるので、技術者としては楽しい会社ですね。」

現在、第1工場と第2工場の管理をされている西川課長。周りのスタッフは年上の熟練工の方が多く、頼りになる存在だと話します。

西川
「新しい製品に取り組む機会が多く、現場は毎日が新鮮ですね。良い商品ができることはもちろん、トラブルも新鮮に感じます。無理難題が転がり込んできて、苦労してなんとか完成させることはしょっちゅうあります。毎日チャレンジで、なんとかやってみて、量産につながるとすごく嬉しいですね。

難しい仕事から逃げずに、立ち向かうことに真価があると思います。もちろん大変ですが、チャレンジを続けないと次はありません。お客様の期待に答えることが我々の存在意義であり価値です。難しい仕事も多いですが、そのぶん利益が出たら社員にしっかりボーナスとして還元されるので、やりがいもありますよ。」

「良い会社」とは、社員満足の高い会社だと吉田社長は話します。会社自体の知名度を上げることが難しい業界構造の中で、本人やそのご家族に、吉田産業に来て良かったと思ってもらえることが一番嬉しいのだとか。

現在求人中の吉田産業。どのような方が向いているのかを教えていただきました。

吉田
「社員数は最大50名くらいで、これ以上は会社を大きくしようとは思っていません。今くらいの規模が、目の行き届く範囲で効率が良いですし、自分たちの強みが生きると感じています。デジタル化を進めながら、少数精鋭のチームを作っていこうと考えています。

そんな弊社に向いているのは、男女問わず、ものづくりが好きな方です。機械いじりが好きだとか、ガジェットが大好きとか、こつこつやれる人ですね。あとは、海外のどこでも仕事に行きたいと考えている人や、行動力を持っている方に来てほしいです。福井県外に出てたくさんの人や仕事に揉まれて、自分の殻を破ったやんちゃな人たちでしょうか(笑)」

「最終的に企業は人が全てだ」と話す吉田社長は、次世代の人材育成に注力されておられます。高い技術力を持ったベテランが多く働く吉田産業。ものづくりが好きで腕を磨きたい方は、ぜひ連絡してみてください。

 

【連絡先】
吉田産業株式会社(Webページはこちらから)
TEL:0778-52-0666
MAIL:a-yoshida@yoshida-sangyo.com

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