株式会社若吉製作所|新たな分野への可能性を切り開くチャレンジ精神

「チタンは、軽くて、強度があり、錆びない。体に埋め込んでも害の無い唯一の金属です。ただ、その分、加工が難しく、微細な部分まで処理するのが難しい。その難しさへのこだわりが、我々の技術です。」

そう語るのは、「チタンという素材」と「若吉製作所のチャレンジ精神」に将来性を感じて、この世界に飛び込んできた三代目社長の寺崎さんです。

創業1942年。
若吉製作所では、チタンやステンレスあるいは耐熱鋼などの難削材の高度な加工技術を強みにしたものづくりをしています。

お話を伺ったのは寺崎社長(右)と入社28年目の西畑さん(左)。

惚れこんだチタンの可能性。
人の手では加工できないからこそ、手作業のような繊細さを機械でも実現したい。

先代の社長から経営をやらないかと相談を受ける中で、チタンの将来性に確信を持ったと話す、寺崎社長。
最初は慣れないまちで不安もあったそうですが、すぐに鯖江で出会った人たちの温かい人柄に安心したと言います。

寺崎社長:「ものづくり=職人なんていうイメージがあるじゃないですか。例えば、削ったりするのも、研磨したりするのもその人の長年の感覚でやるみたいな。でも、チタンは手作業で研磨や切削ができないくらい固い金属です。
だから刃の角度とか長さとか、油の入れ方とか。自分の手でものづくりをするように、機械でそれを再現しているんです。工夫が好きな人だったら、めちゃくちゃおもしろい仕事じゃないかなと思います。」

医療という未知の分野へのものづくりは、壮絶で地道な歩みから。

寺崎社長から、会社の大黒柱ですと紹介していただいた西畑さんは、高校を終えてすぐに若吉製作所へ入社しました。

入社当時は、会社として異分野への挑戦という変革期を迎えていたと言います。

西畑さん:「弊社は、鯖江の地場産業である眼鏡の小さな部品づくりからスタートして、ミリ単位の金具を製造していました。次第に、中国進出などで価格競争が激しくなる中、新しい分野を模索していたところ、私の先輩方が注目したのが医療分野です。チタンという素材を生かしながら、私たちが得意とするサイズ感が似ているものを模索した結果歯のインプラントに挑戦しました。」

いいものが作れてもすぐには売れない現実があったといいます。

西畑さん:「製造販売していくためには認可が必須で、特に第一種医療器具製造販売事業許可の認可は非常に難しかったと聞いています。2005年にやっと許可が下りました。」

医療器具を製造販売するための医療器具製造販売事業には、人体への危険度に応じていくつかのレベルがあり、若吉製作所が目指したのは最難関のレベル。

長い年月をかけ、非常に厳しい基準を乗り越え、医療器具の製造を開始しましたが、新たな壁がありました。

寺崎社長:「医療器具は、医師との信頼関係がとても重要です。認可があっても実際に売れるかどうかは別の問題です。
医師にとって一番怖いのは医療事故。国産より、歴史も実績もある使い慣れた外国製を使い続けたいという声がほとんどでした。この状況をどうやって打破するか考えた結果、医師・歯科医師、医療器具メーカーのニーズにこたえられるようなものづくりをしようと新しい治療や手術の方法から共同開発することになりました。」

西畑さん:「具体的には、医師や技工士と共同で考案した歯科器具を使うことで、従来のインプラント手術よりも、患者さんの負担が軽減できるようなシステムを開発しました。コンピュータ上で事前にシミュレーションを行い、治療の位置や角度を決定することで精密な手術が可能です。これにより、初めての医師でも安心して手術ができるようになり、患者さんの回復も早く、手術後の生活にも影響が少ないと非常に好評です。」

医療分野への新規参入という困難を乗り越えて、新しい手術システムの開発から挑戦してきた若吉製作所。その甲斐あって、確かなチタン加工の技術が認められ、大手上場企業からも声がかかっているのだとか。さらに、航空宇宙部門へも挑戦をされています。

機械は自作が当たり前。パーツから作るこだわり。

若吉製作所では、製造部、技術部、品質保証部、管理部の4部門があり、ジョブローテーション制を取り入れており、1人で複数の工程を行うことが特徴です。


西畑さん:「眼鏡部品(蝶番、ブローチ)の製作に係る専用機は、創業時から自作がほとんどです。スピンドル(主軸)やモーター、制御盤の組立まで一貫して行っていました。自作機の製作に係る知識や経験、考え方は、今につながっていると思います。」

現在は、医療機器の製造がほとんどで、専用機は使用しておりませんが、変わって工場には、最新のNC工作機がずらりと立ち並びます。

新しい部品の製造は、機械のセッティングや、どの工具を取り付けるかなどの答えがないので、機械の調子を見ながら自ら相性やアレンジを考えることが求められます。

また、品質保証部では、画像測定器導入の更なる効率化に向けて試行錯誤中とのこと。

目視による品質検査だと個人差が出てしまい、さらに形状が複雑な部品だと品質検査だけで一日かかってしまうのだとか。日々、最新の技術も取り入れながら、品質向上と時間短縮を目指して新しい挑戦が行われています。

医療分野で培った精密さを武器にスポーツ分野に進出

まだまだ試作段階なんですが…とこっそり見せてくださったのは、スポーツメーカーと共同開発しているというゴルフのパター。

西畑さん:「選手にきくと、ゴルフ用品は同じ製品でも重さのムラがあるのが当たり前だそうです。弊社は、医療分野で培った技術力があるので、その強みが非常に生かせると思いました。チタンのパターと普通のパター、2つの重さを比べてみてください、チタンの軽さが非常によくわかりますよ(笑)」

持った瞬間に、チタンのパターの軽さにとても驚きます…!

選手の年齢や体型に合わせて道具の重さの補正を行う、イージーオーダー製品の販売を目指しているそうです。

素材の可能性広げてみたい人、募集!

寺崎社長:「社員はとにかくチャレンジ精神と成長意欲は高いです。現在は、医療器具だけでなくスポーツや航空宇宙分野への挑戦もしています。チャレンジ精神と成長意欲のある方、そして真面目に実直にものづくりに興味を持ってお仕事できる方に来ていただきたいですね。

組織全体が凝り固まることなく、社員一人ひとりが自由にアイデアを出し合い、仕事に取り組むことが新しいプロジェクトの芽を伸ばす糸口だと思っています。」

なんかアイデアありませんか?どんどんアイデアください!(笑)
と笑い合うお二人から、新しいものづくりを楽しむ精神を感じました。

やりたいことがあれば積極的に発信し、それを実現するために協力し合える雰囲気。
堅苦しい枠に捉われないものづくりこそが若吉製作所らしさだと感じます。

チタンの新たな可能性を一緒に広げてみませんか?

▼連絡先
株式会社若吉製作所 詳細はこちら
TEL::0778-51-2815   
FAX :0778-51-1805
Mail:info@wakayoshi.jp(担当者:増田)

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