【さばえSDGs推進センター-vol:3/5】鯖江の企業とSDGsの現在

ーー前回のお話にも出ていましたが、企業との取組みについて教えてください。

(仲倉)
三井住友海上火災保険株式会社や福井県民生活協同組合、東京ガールズコレクションをやっている株式会社W TOKYOや北陸電力株式会社などと、SDGsの連携協定を結んでいます。

例えば、三井住友海上火災保険株式会社さまですと、ネットワークも広いですし、もともとSDGsに取り組んでおられた企業さまなので、中小企業向けのセミナーを実施していただいています。福井県民生活協同組合さまとはフードドライブ事業として、家庭で余っている食べきれない食品の寄付を呼びかけて、約2,900点の寄付をいただき、食品を必要としている方々へ配布する活動をしています。また北陸電力株式会社さまとは、小学生向けに環境に関するワークショップをしていただいて啓発活動をしているなど、いろいろな企業さまと取り組ませていただいています。

ーー企業がSDGsを取り入れるアドバイスや、既存事業に対してSDGsの項目を当てはめることなどもされているのですか?

(仲倉)
SDGsの取り組みについては、これから何かしたいんですという企業さまもいらっしゃいますし、既にやられていることが実はSDGsにつながっていて、わかりやすいようにアイコンで見える化するだけでよい企業さんもいます。

さばえSDGs推進センターでは、鯖江に住んでいる方や企業さまだけが対象というわけではなく、県内外問わず相談にお越しいただいています。何かがつながって連携することもできますし、どこでどんな相乗効果が生み出せるのかはわかりませんから。

(関本)
私たちは地方のロールモデルを作っているところなので、行政区などでの線引はしていられませんし、制限することなどを考えたこともないです。SDGsには国境はありませんから。

(仲倉)
私達としては、県内外問わず幅広く連携した方がいいのではないかと思っています。
口コミで少しずつ知名度が上がっており、東京でSDGsを推進しているNPOなどが、コロナが落ち着いたら鯖江に行きますと言ってくれていたり。コロナが収束して行くと、どんどん輪が広がっていくような気がします。

 

福井県で唯一のSDGs専門施設。

 

ーー福井県内では、SDGsを専門に扱うセンターはこちらだけなんですか?

(仲倉)
そうですね。県内ではSDGs未来都市は福井県と、市町では鯖江だけです。こういったセンターとして独立して施設になっている例は、全国的に見ても数えるぐらいしかないと思います。

(関本)
センターでは、「さばえSDGsグローカルクラブ」というグループを作っています。
このグループは、総会も開催しないし、会費もいらないのですが、参加していただく企業・団体さまには、センターが運用しているSNSをフォローしてくださいとお願いをしています。
だれでも入会しやすい仕組みを作っていまして、クラブに入っていただいた企業・団体さまには、センターで開催している研修会や、SDGsに関する情報をお知らせしています。

(仲倉)
もともと連携している企業さまはいらっしゃるのですが、もっと誰でも入りやすいグループをつくっていくことでさらに様々な企業さんとセンターが繋がっていけるのではないかと思い「さばえSDGsグローカルクラブ」を立ち上げました。こちらからの一方的な情報提供だけではなく、参加されている企業の皆さまがやっている活動を発信したりだとか、センターが情報収集をした内容をまとめて、配信をしたりもしています。また、クラブに入っている会員さんはセンターでの展示が優先的にできるようにしています。

ーー鯖江市は、目標5『ジェンダー平等を実現しよう』に注力されていますが、どのように決まったのですか?

(仲倉)
国の方針で推進しなければならないSDGsの取り組みもありますが、鯖江市らしい推進方法は無いのかと考えました。鯖江市には、横浜市や鎌倉市などの大きな市のような予算規模や大企業もありませんし、山や海など自然が魅力という都市でもない。地場産業が中心である鯖江市だからこそできるものってなんだろう?と。

そうして考えている中で、「女性の就業率が高くて、共働き率も高くて、3世代同居率も高くて……」という鯖江市の地域特性に反響があり、これはもっと自慢して良いことなんだと気づきました。また、まちづくりに女性が積極的に参加していることも高い評価をうけました。
そうしたこともあって、目標5『ジェンダー平等の実現』が鯖江市の柱になりました。

(関本)
地元のJK(女子高生)たちが中心となって、自分たちのまちを楽しむ企画や活動を行う「鯖江市役所JK課」も2014年スタートで、SDGsが採択される前からやっていたことなんです。SDGsの国連採択は2015年なので、鯖江ではその前から知らぬ間に「ジェンダー平等」の取組みをやっていたんです。

よく「今やっていることを、SDGsを意識して振り返ってみてください。実は既に取り組んでおられるんですよ。」と、企業さまからのご相談時にもお話するのですが、鯖江市も実は同じです。やっていることを振り返ってSDGsの目標と照らし合わせたら、たまたま5番のジェンダーに関わることが鯖江市の特徴だった。目標5の『ジェンダー平等の実現』が柱に決まったのはそういうことかなと思います。

 

※次回に続きます

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です