【さばえSDGs推進センター-vol:4/5】イベントや広報で近づいてきた、地域とセンターの関係。

ーー鯖江の中では何か変化はありましたか?

(関本)
北中山地区の市民団体や田村町の壮年会など、地域団体が研修のためにセンターを訪れています。市民が自ら進んで連絡をして来てくれたことが嬉しかったですね。地域のまちづくりにも持続可能性が必要と市民の皆さんが気づいてくれた、SDGsの普及に努めてきて、やっとここまで来たんだと感じましたね。

(仲倉)
地元の学校も同じようにお声がけいただいています。SDGsに積極的に取り組んでいる大企業が近くにあるとか、SDGsがわりと身近にありそうな首都圏の学校なら分かるのですが、鯖江の地元の小学校が活動してくれるのが嬉しいです。

ーー地域の方々が来やすくなるような仕掛けがあったのでしょうか?

(関本)
きっかけは、私たちが鯖江市内の各公民館の職員に研修をしたことでしょうか。公民館職員は市民向け講座を担当するので、そこにSDGsを取り入れてもらうことができれば、市民に広がっていくだろうと思いました。
研修を通して、SDGsの取り組みに共感してくれた公民館職員さんが地域の学校にも声をかけていただき、そこからセンターへ声をかけてもらえるようになったんです。

ーー学校から子どもたちに広まって、帰って親に話す。広がりがありそうですね。

(関本)
鯖江高校の先生も熱心なんですよ。授業でSDGsのカードゲームをするので、生徒がやる前にまずは自分たちが体験しなくてはいけないとのことで、10人もの先生が学校が終わってからセンターに来て、3時間一緒にカードゲームをしたこともありました。鯖江高校は探究学習に力を入れておられるので、課題の発見や解決のためにSDGsを実践しているようです。

(仲倉)
学校や、地域の団体の方々が、将来を見据えて鯖江のまちのことを考えてSDGsに取り組まないといけないと思い、動いておられるので、やはりうれしいですね。

(関本)
こちらからお願いしてやってもらうんじゃなくて、自発的にやりたい・やろうと言ってくれるのは嬉しいことです。

ーー北中山地区の方もそうですが、鯖江の人は何故SDGsに熱心に取り組めているのでしょうか?

(仲倉)
北中山地区は現在、人口が減少していて、解決するために人口を増やすということはなかなか難しいという現状の中で、住んでいる人々で助け合いながら持続可能なまちにしていくにはどうしたら良いかというのを考えられているそうです。そうして皆さんで考えていく中でSDGsを知り、センターに声をかけていただいたのが最初でした。

皆さん色んな事に取り組んでおられますし、何より元気です。まちが元気なうちに、このパワーを持続させていくにはどうしたら良いかを考えることが必要なんだと思います。センターができたからこそ市民の意識も変化してきているのかもしれませんね。

ーー他市町村の自治体からの相談などもあるんですか?

(仲倉)
見学に来られる自治体や、SDGsセンターについて知りたいという自治体もいらっしゃいます。東京の江戸川区にも、2021年の4月1日にSDGs推進センターが開設されました。北陸3県では、石川県や富山県はSDGs未来都市が多くあるので、そういったところとの連携の話や、視察に来られることもあります。

ーー世界規模でもあるSDGsのことをどのように伝えているのでしょうか。

(仲倉)
国連の話をすると「自分にはとてもじゃないけど出来ない」とか、「自分たちには関係ない」と感じてしまうと思うのですが、国がすべきこともあれば、企業がやるべきこともあり、個人で出来ることもあるんです。

「それぞれがやらないと、持続可能な世界にはなっていかないよ」というのをいつもお話させていただいています。そうすると、子どもも高齢な方もこんなことなら出来るかもと言ってくれる。それが私は大事だと思います。鯖江は小さな地方都市ですが、これまで市民の方々と取り組んできて評価されていることもあります。小さなことをしても何も変わらないという人もいるけど、みんなでやれば変わる。「皆さんもやれることはありますよ」ということを伝えていきたいですね。世界はつながっているということを理解して、他人事ではなく自分事にしていってほしいと思います。

ーー現在、鯖江市民はSDGsについてどのくらい理解されていると思いますか?

(仲倉)
比較したわけではないのですが、他市町に比べると、SDGsについて認知している方は多いのではないかと感じます。

(関本)
自治会の方が自分たちから訪ねて来るのだから、SDGsの認知度も最初と比べるとかなり上がって来ていると思います。

(仲倉)
鯖江市の地域おこし協力隊として、サマンサさんがセンターに来てからは、SNSでの広報活動が大きく進みましたね。情報の収集・発信に努めているほか、企業さん同士の横のつながりや情報共有などもSNS上で行えるように進めています。

(関本)
サマンサさんがセンターのSNSに英訳をつけて発信し、海外のフォロワーもたくさんいて、「世界へ発信する」ということも実現できています。また、定期的に開催しているブックカフェやCINEMAシェアの告知は、ほとんどチラシなどの紙媒体では配っていません。コロナ禍だからというのもありますがSNSに力を入れたことで、ちゃんと人が来てくれる環境になってきています。

 

※次回に続きます。

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